『どよめけ! ミスLeaf学園コンテスト』 第二十二話(後編) 〜Female cat's〜 投稿者:YOSSYFLAME




          『第130問…      
                   お互いのぱんつの色を答えなさい』



  智子の水着姿が拝めるかもと残ったは良いものの、問題の難易度の高さにクイズを考
える楽しみを奪われていたギャラリーにとって、予想外の問題にやんややんやの大歓声。
 ギャラリーに向かって非難の声を浴びせるディルクセンとは対象に、顔を伏せていた
智子であったが。 意を決した顔で面を上げると

「おもしろいやないの。逆を言えばディルクセン先輩をこの場で曝し者にして確認でき
るやろうし。ウチが正解して、あんたらに見せたくないもの見せたるわ」

「ほ、ホンキか…」
 そこまで言って、ディルクセンは智子の目を見る。
 そして智子が酔狂でも自棄になったのでもなく、膠着した展開に勝負を付けたがって
いることを理解した。

「では、よろしいでしょうか? それではお答え下さい」

 両者とも納得したとみた誠治はちびまるに再開するように指示を出した。
 ちびまるの声に続いてシンキングタイムのメロディーが流れる。

(ディルクセン先輩はさすがにブリーフ派って事は無いだろうから…。
 それでも、トランクスに逃げたくないとか思っているんやろうか)
 今までのディルクセンの性格から真剣に推察を始める智子。

 一方、ディルクセンはというと――。
(保科の場合はやはり白なんだろうか…。
 だが、案外かわいいピンクとか水色とか。
 まてよ、今は水着だから無色って事になるのか!?)

 妄想がいけない方向に突入してしまい、やや前屈みになる年頃の男の子(爆)

 が、無情にもシンキングタイムのメロディーが終わりを告げている。

「ええいっ、ままょ!!」
 ディルクセンは無我夢中でマジックを取ると、頭の中に唯一残った映像を思い出して
その色名を記入する。
 書き終えた瞬間。

「時間です」

 ちびまるがシンキングタイム終了を告げた。 両者の頭に残った色は一体――?












                                 『ふんどし』
                                 『ふんどし』












「なめんなーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!」

  すぱぱぱぱぱぱぱぱぱぱぱぱああんっ!
  智子の必殺ハリセン乱舞が、ディルクセンの頭蓋を粉々に砕く。
「なんやそのふんどしってのは!  あんた私をバカにしてるんか!?」
「どやかあしい!  神戸の女の下帯はふんどしと、戦中から決まっとんじゃ!」
「神戸の女を馬鹿にすんなあああああああああああああああ!!」
  ばきいっ!
  裏方に徹していた美加香の魂の一撃が、ディルクセンの脳ミソ深く抉り込む。
「お前かて人のこといえるかあああああああああっ!  なんだそのふんどしってのは!」
「やかまし!  あんたらガチンコ日本男児はふんどしって決まってるんや!見せてみい!」
  ずりーーーーーーーっ。
  智子の魂の一喝と共にズボンがずりさげられる。
「なんやこれ?トランクスやないか!?  この西洋かぶれが!日本男児が泣いとるで!」
「なんやとおどれ!  おどれこそ人のこと言えんやろが!  ええ!?」
「いやああああああああああああっ!」
  ぺろーんっ。
  報復とばかりにディルクセンが智子のスカートをめくり返す。
  ビキニとは言え下着と錯覚するような眩しい白に、周囲の野郎共は歓声を上げる。
「こ…ぉんのお………もうアッタマ来たわ!!」
  恥じらいと怒りで頭に血が上った智子が、なりふり構わず掴みかかる。
「上等やんけ!  やったろやないか!!」
  ディルクセンも負けじとつかみ掛かり、もみ合いの大混戦になり。
  それを見ていた煩悩溢れる観衆が、じっとしているわけもなく。
「俺も混ぜろーーーーー!!」
「散々焦らせやがってよ!!  ひん剥いてやるぜ!!」
「せめてひんむかねえと気がすまねえぜ!!」

「み、みなさんやめてくださーいっ!」
  ちびまるの制止も虚しく、参加者全員による大乱闘は収まるところを知らなかった。






「はぁっ……はぁっ……はぁっ……はぁっ……」
「ぜえ……ぜえ……ぜえ……ぜえ…………ここまで逃げれば大丈夫やろ……」
  息を激しく切らせながら、大乱闘から抜け出して。
  今や無人の工作部部室に、智子とディルクセンは飛び込んでいた。

「ふぅ……」
  どさっと崩れるように、智子は部室の椅子にもたれる。
  制服はまだ続行可能だが、ところどころがほつれ破れている。
  三つ編みも解け、意外なほど長い髪が、夕焼けに照らされ眩き波打つ。
「ん?  どしたん?」
「い、いや……」
  まさか見とれていたとは言えず、ディルクセンはソッポを向き。

「なあ。まだやる気なのか?」
「何を?」
「コンテストだよ。まだやるのか?」
  走りまくりすっかり頭の熱が冷えたのか、標準語に戻ってるディルクセンが問い掛ける。
  そんなディルクセンに視線も合わせず、窓から差し込む夕焼けを見つめる智子。
「……とりあえず、ルールには従わなあかんからな……」
「そうか……」
  続行。
  そう読み取ったディルクセンが、苦笑いを浮かべて席を立つ。
「どこにいくん?」
「職務に戻るさ。せいぜい不遜な輩が出ないようにな。お前はお前で頑張ってくれ。
じゃあ……」
「待ちいな」
  立ち去らんとすディルクセンの前に立ちはだかり、真正面から彼を睨む。
「ルールには従わなあかん。……私の決めたルールにな」
  そう言って智子はメガネを外す。滅多に見れぬ素顔の彼女。
「あんたが優勝や。さ、もうこんな邪魔っけな服、剥ぎ取ってくれるか?」
「ゆ、優勝……?」
  思いもかけぬ智子の言葉に、ディルクセンはただ戸惑う。
「このクイズには実は裏ルールがあってな。ギブアップしたほうが負けいうのがあるん
よ。ま、そーゆーことやけどな」
「お前……」
「なんかどうでもよくなったんや。
最初は誰とも知らんヤツに勝手にエントリーさせられて、腹いせで参加して、思きし私
の力を見せ付けてやろ思ってたんやけどな」
  智子の素の瞳が、ディルクセンを見つめ続ける。
「けど、あんたとやりあってるうちに、そんなんどーでもよくなった。もう私には、大
会に参加する理由がない。もう、いいんや」
「保科……」
「だから、もうやめる。だから、もう剥いでくれてええよ」
  智子の手によりディルクセンの手が智子の肩にかかる。
「後悔、しないな?」
「なにを大袈裟な。たかが水着を剥くくらいのことで」
  その瞬間、ディルクセンは気がついた。
  ほんの僅か、本当にほんの僅かだが、智子が震えていたことが。
  その震えが、彼に決心をさせた。
  これだけは他の誰でもない、自分がやらなけりゃいけないことだ、と。

  弱々しい音を最後に、智子の肌は晒された。
「これでもちょっとは恥ずかしいんやからな……」
  テレ笑いを浮かべる智子の肌を、優しく夕陽が照らし上げる。
  情熱的な朱に染められしその姿は、守り切った者にのみ見せられる姿かもしれない。












「はじめまして。月城夕香といいます」
  あれから南と合流した鈴香とYOSSY。
  夕陽の沈みかけ、所用で抜けていたはるかが連れてきたらしい女性が、目の前の彼女
だった。
  髪は大人しげなセミロングのメガネっ子。優しそうな容貌。
  髪を上げてるせいかやや広く見える額には、参加者であることを示すハチマキが。
「はじめまして、牧村南といいます」
「どうもはじめまして、風見鈴香です」
「YOSSYFLAMEです、はじめまして」
  すっかり受け入れたかのような南の柔らかい挨拶に続き、鈴香とYOSSYも挨拶を
交わす。
「ところで、御用件は……」
「あ、それなんですけど……」
  南の問いかけに夕香が応える。
  その内容は鈴香はじめ3人が、少しは驚くものだった。



「芳賀先生のところまで連れていってほしい、ですか……」
「ん」
「ハチマキをしてらしてるということは……」
「はい。彼女の手伝いをしようかと思いまして」
  澱みなく穏やかに夕香は話す。
  
  早い話がこういうことだろう。
  夕香の言う芳賀玲子は、今大会のエントリーヒロインの一人。
  ここにいるエントリーヒロイン・風見鈴香の敵である。
  つまり、間違いなく敵になるであろう人材を、わざわざ危険を冒して送り届けろ、と。
  目の前の夕香が、何を得意とするのか、いやそもそもいったい何者なのか、それすら
わからない状況で。
  わざわざ送り届けてやる義務も義理も、鈴香チームの誰も持っていない。
  いやむしろ、夕香の言うことが真実であるならば、芳賀チーム側に対する格好の人質
にさえ、彼女は成り得るのである。

皆が一瞬静まる中、YOSSYが一歩を踏み出して、夕香に向かって言い放った。



「任せといてください!  きっとお送りいたします!」



「え……?  いいんですか、本当に……?」
「あなたのような綺麗な人の頼みを断ろうもんならもう、ナンパ師の名折れですよぉ!」
  南、はるかはおろか、大将の鈴香にさえ意見を求めず独断するYOSSYに、当事者
であるはずの夕香の方が戸惑っている。
「……って、なんかツッコミがないんですか皆様。半分ギャグで言ったんですが、俺」
「私は賛成です。悪い人じゃなさそうですし、いいんじゃないでしょうか?」
「ん」
「ギャグってよっしーさん、都合の悪いことでもあるんですか?」
  手を前に合わせながら南が言えば、どこを見てるのかわからずという視線ではるかが
合わせ、腕を頭の後ろで組みながら、鈴香がツッコミを入れてくる。
  そうだった。
  この人達はこういうこと、全然頓着しないんだった。良くも悪くも。
「いえ全然。もう大歓迎します!」
「とりあえず、芳賀さんのところに行くまでは仲間ということで」
「よろしく、月城さん」
「夕香でいいです。みなさん、よろしくお願いします」
「こちらこそ。よろしくお願いします、夕香さん」






「それにしても、汗、流したくなりませんか?」
  すっかり日が沈み、月が学園を照らし始めた頃、鈴香がタオルで汗を拭きながら零す。
「同感同感。まったく夜だっていうのに、汗かかすことやらすなって感じですよね」
「ん」
「私も……汗を流したいです」
  鈴香の声にYOSSY、はるか、夕香と続く。



  実際このコンテスト、夜になろうとも襲撃が止むことはまるでなかった。
  むしろ昼に体力を温存していた襲撃隊第二部が、昼にも勝る勢いで攻撃してくるのだ
から、ヒロインとその護衛にしてみればもうたまったものではない。

  その中でも臨時ながらも、新チームメイト・月城夕香の活躍には驚かされた。
  従来、鈴香チームの直接戦闘時の陣形は、YOSSYが主力となって周囲を暴れまわ
り、遠距離でなにやらやってる相手には、はるかの弾丸サーブがまさに火を噴く。
  この2人で余した相手を、大将・鈴香がバイクで翻弄し蹴り飛ばすというもの。
  ちなみに南は基本的には直接戦は戦力外。鈴香のバイクに二人乗り。バッグには痴漢
撃退用のスプレーなどが入っていたりするのだが。
  が、夕香の加入後は、大分それが緩和された。
  さすが芳賀玲子の友人だけあって、得意技はコスプレ変化。
  北海道の民族さながらのコスチュームに着替えたが最後、得意技の手刀が次々と、男
子生徒を昏倒させてゆく。
  実際名のある連中と比較すると、正直強いわけではない。
  けれど強さ云々よりも、堅実で的確な対処は、他の4人をだいぶ楽にさせていた。
  鈴香が御自ら出張らなければいけなかった状況でさえ、前の3人でカタをつけられる。
  大将・鈴香を温存できるということは、この長期戦にとってまさに願ったり。
  最も直接戦闘に関しては、雑魚掃討戦しかしていないし、他の武闘派戦力とは、極力
直接戦は避けたいというのが、皆の偽らざる気持ちであったりする。
  だからこそ先程は楓にしたような戦法を取っていたのだが、それが――



  それはさておき、とりあえず彼女たちには命題があった。
「女子寮は遠いですしね……」
「さっきの安全地帯のシャワー室の周り、待ち伏せばかりでしたね……」
「さすがにトイレまでは手が回らない感じですけど……」
「ふぅ……」
  鈴香チーム女性軍の疲れも目立ってきた。
  昼夜問わずの運送業で、入浴なども不規則な鈴香でさえ、この過酷な戦いの真っ直中
で、僅かながらも疲れの色を見せている。
  彼女でそれである。他の3人はもう言わずもがな。
(まいったなぁ……)
  YOSSYは悩んでいた。
  地べたに座り込んでる4人の女性。彼女達の疲れをどうにか癒したい。
(……悩んでる場合じゃないな。あそこしかないか)

「風呂……っていうか、水浴びでよければ格好の場所がありますけど、行ってみます?」






「うわぁ……気持ちよさそう……」
「水もちょうどいい冷たさだし。久しぶり、水浴びなんて」
「はるかさん、こういう水浴びしたことあるんですか?」
「うん、昔……」

「よっしーさん、何でこんな場所知ってたんですか?」
  水辺にいるはるかと夕香を眺めながら、南が疑問を投げかける。
「そりゃあ、俺はL学現役生徒ですよっ、このくらいは晩飯前ですよ!」
「つまり、だいぶ苦戦したわけですね」
「いやそうなんですけど、そんな身も蓋もないことを」
  最近鈴香からのツッコミが妙に切れるなと思いながらも説明を続ける。
「水は綺麗ですよ、ここは。結構何回も入ってる人達もいますしね。休みの日の部活動
の合間なんかに、この泉、割と使われてます。まあもっとも、ここを知ってる人間は極
々まれなんですけどね。だからこそ、この大会にはうってつけなんです。時間制限もな
いですし、ゆっくり疲れを取ってください。まだ先もあることですから」
「ありがとうございます。そうですね、使わせてもらいます」

(ほっ……)
  南の了承が得られてホッとするYOSSY。
  そんな中、複雑な視線で鈴香が見つめていることに気づく。
「どうしました、鈴香さん?」
「いえ……こういうところがあるというのは有り難いんですけど、ひとつだけ……」
「なんでしょう?」
  なんでも来いとばかりのYOSSYに、鈴香は言葉を投げかける。



「覗いたら、私、怒りますから」



「は、はひ……」
  普通の表情でなんつー恐ろしいこと言うかなこの人はと思いつつ、とりあえずは見張
りをすべく、YOSSYは獣道の中間点付近に腰を下ろすべく、思いきり未練があり
ながらも、泣く泣く足を運ばせることに。






「――ぷあ…っ!」

  ザバアアァッ……
  水しぶきが月光に反射し、眩い輝きを醸し出す。
  そんな中、気持ちよさげに躍動する鈴香の肢体。
  男顔負けの仕事をしているだけあって、四肢が伸びやかに締まった感じか。
  それでいて女としての丸みとツヤは、いささかも失っていない。
  普段はヤンチャ坊主と思われるほどの童顔に、不思議と似合うプロポーション。
  月に照らされし彼女の姿は、紛れもなく“キレイなオンナ”


「気持ち良さそうですね……」

  静かに月に照らされている南の肢体。
  その優しい曲線は、そのまま彼女の優しさを表しているかのよう。
  滑らかな肌を水滴が一滴走る。上から下へ、あくまで優しく。
  草わらに腰掛け、穏やかに見つめるその姿は、質素にして艶やかに。
  豊かにして張りある曲線。優しさと気丈さの同居のように。


「はぁ……」

  ザバッ……
  緩やかに、泉にその身を預ける夕香。
“他人に見られること”を常に意識されたその肢体は、綺麗の一言につきる。
  おっとりとした容貌と、それに相反するかのような自分の趣味。
  スラリと伸びやかなカラダの奥、泉に委ねしカラダの奥に、コントラストが潜んでる。


「んっ……」

  泉から上がり、伸びするはるか。
  珍しい程の眩しい月明かりに、惜しげもなくその肢体を晒す。
  月が映りし瞳と同じく、そのカラダも神秘なまでに。
  激しく鍛えられたその四肢は、バネと呼ぶにふさわしい武器。
  けれども月に照らされし今だけは、安らかに眠るオンナのカラダ。



「はぁっ………気持ちいいですね、ホントに」
「ふふっ、そうですね」
  まるでプールにいるかのような鈴香に対し、南はゆっくりと、肌から汚れを洗い流す。
「えっと、そういえば着替えは……」
「ありますよ、ちゃんと」
「あ……」
  第二購買部特製、携帯脱衣入れ。
  今大会のルールでは、安全地帯以外で入浴等で制服を脱いだ時は、その制服を奪われ
破られた時点で失格(制服及び携帯電話を容易に目に付かないところ、または奪うのに
困難なところに隠すことは認められてはいない)となる。
  そんなわけで鈴香は、万が一入浴中に制服を奪われないよう、着替えを袋に入れて密
封し、手元に置いているのである。
  ただ、対象となるのは鈴香だけで、他の女性達は何も問われないのだが、それでも付
き合いなのかなんなのか、袋に入れて間近に持っていたりする。
  まあ、それを言ってしまえば、ビキニの鈴香は何もそれまで脱ぐことはないのだが、
他の3人に合わせて、一糸まとわぬ姿での水浴びに興じているわけなのだが。
  だからこそスケベ丸出しのYOSSYに、釘を刺しておいたのだが。



「……夕香さん」
「はい?」
  緩やかな時に浸っていた夕香を、珍しくはるかがそれを破る。
「腕と太股、大丈夫……?」
「あ、はい。おかげさまで………っ……」
  笑みで応えた夕香の腿に、電撃のような衝撃が走り。
  はるかが見た時の夕香の危機。
  玲子を助けに来たものの、ゴタゴタに巻き込まれての負傷。
「だから、あなたをここに連れてきたんだから。無理はしないで。………お願い」
「はるかさん……」
  夕香の瞳に映りしはるかの表情。
「大丈夫。きっと玲子さんに逢えるから。それまではよろしく」
「……はい」
  触れないほうがいいだろう、そう夕香は信じ。

「二人とも、水加減はどうですか?」
「ん」
「あ……はい、気持ちいいです……」
「ふふ、こうして月の光に照らされて水浴びなんて……今が競技中だなんて」
「信じられませんよね?」
  素のままの彼女たちの笑い声が泉に響く。
  そんな雰囲気の中、腿の痛みを感じながらも夕香は思う。

  今はただ、目の前の人達を信じればいい、そう信じて。





「ってだな。なんで俺一人こんな寂しいところで見張ってなけりゃならんのか」
  獣道の中間点でYOSSYはごねまくる。
  無論本気で頭に来てるわけでもなんでもなく、ただの愚痴に近いものだが。
  しかし、愚痴とはいえ、冗談とはいえ、やはり耐えられないものはある。
  泉から聞こえてくる彼女たちの楽しげな笑い声と涼しげな水音。

“覗いたら、私、怒りますから”

  そう鈴香は言っていた。しかし。
(バレなきゃ問題ないよな。うん。問題ない。のーぷろぶれむっ)
  彼がそう考えた時には既に、泉に足は向かわされていた。






(なかなか愉快なことになってきたね)
  同時刻。
  山浦と玲子から少し離れたところで。
  隼魔樹は、楽しくて仕方がないとばかりに口元を歪める。
(夕香さん。果たして無事に、玲子の元まで来れるかな?)
  自分たちの味方として駆けつける女性に対し、この男は何をしでかそうというのか。

(さてと、今や彼女らは文字どおりの一糸まとわぬ状態。さて……)
  隼が頭を捻らせる。
  思いもかけぬ湧いてきた、その余興を楽しむために。
(さて……誰を送り込んでやろうかな……)
  待機用じぇりーずを一体呼び寄せ、隼は娯楽の思考を巡らせはじめた。



「で、あの時ったら本気で焦りましたよ。よっしーさんたら、無鉄砲なんだから」
「……まあ、それがあの人の長所であり短所……って、私、なんか偉そうですね」
「アハハハッ……」
  今尚水の宴は続く。
  その宴をジッと見つめる、一体のクラゲに似た生命体、じぇりーず。
  考えてみれば当然のこと。柏木楓を破ったチームの実情を伺おうとするのは。
  隼が使役する十数体のうちの一つ、浮遊生命体、じぇりーず。

  既にそれに見張られていることなど、鈴香チームの誰も気づいていなかった。












                                          第二十二章での脱落者……保科智子




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こんばんは、YOSSYFLAMEです。
今回はちょっと、今回の話に出たキャラの一部をピックアップしてみましょう。
キャラがわからない方も、これで少しは参考になればと思います。


前編……


死乃森阿修羅(2年:ダーク13使徒:オリキャラ)
ダーク13使徒第5連隊所属、平坂さんの部下。
同連隊所属の同期、魔江田凶治とは同期の桜にして同級生。
詳細はハイドラントさん作:
「Lメモ優駿編「Dark十三使徒へようこそ!!」第一話、第二話参照。 


魔江田凶治(2年:ダーク13使徒:オリキャラ)
「死乃森阿修羅」の項を参照。


ファイナルガールすごいぜ真奈美ちゃん(デフォルト):
YOSSYFLAMEの編み出したギャグ技。
相手の好きな女の子のキワドイ写真を拝ませることにより、数瞬戦闘不能にする技。
詳細はYOSSYFLAME作:
Lメモ自伝 ACT1 第3話「新必殺技完成!」他参照。


カメラアフロ:デコイさんです(笑


うきゅー:水野さんです(笑


後編……


月城夕香(不明:所属なし:こみっくパーティ)
芳賀玲子の友人。本編ではコスプレ三人娘の中のメガネっ子。
外見的特徴は一言で言って、センチメンタルグラフティの保坂美由紀に似てる、と。
CGが気に入ったので突発的に出演。
修正事項あれば遠慮なくお願いします。僕もよくわからなかったりするので。



何かございましたらお手数ですが、意見のほどよろしくお願いいたします。
さて、なんかある意味、すごい展開になったかなぁということで。
後の肝心な部分を人任せにして、これで失礼いたします(笑


追伸:ルール変更のお知らせ。
本後編に書かれましたルール:
今大会のルールでは、安全地帯以外で入浴等で制服を脱いだ時は、その制服を奪われ
破られた時点、または、通常と同じく肌をチームメイト以外に見られてしまった場合も、
同様に失格となる。

なんですが、これだと覗かれた時点で失格になってしまうので、不備を感じまして、

今大会のルールでは、安全地帯以外で入浴等で制服を脱いだ時は、その制服を奪われ
破られた時点で失格(制服及び携帯電話を容易に目に付かないところ、または奪うのに
困難なところに隠すことは認められてはいない)となる。

に、訂正しました。
あくまで入浴時などに奇襲を食らった時は、制服を奪われ破かれたら負け。
そしてその時の制服は、鈴香さんがやってるように自分の手元だの、目に
つくところに置いておかなくてはいけない(隠すのはダメ)ということに
なります。

ご了承ください。