どよめけ!ミスLeaf学園コンテスト 第三十四話 「因縁の邂逅」 投稿者:YOSSYFLAME




「ここに、いるのだな?」
「そや。アンタのマイハニー♪の仇がな」
 中庭奥の森の中、一歩一歩進んでいく二人。
 一人は、このコンテストのひっかけ回し役に徹している猪名川由宇。
 そして、今一人は。
(楓に与えてくれた辱め。……何十倍にして返してやろう……!)

 ――復讐鬼・西山英志。その人であった。






『どよめけ!ミスLeaf学園コンテスト 第三十四話 「因縁の邂逅」』






「しかし、この森も鬱蒼としているな」
「まぁそうやな。ある意味L学の謎の地帯ともいえる場所やからな。一体何処に繋がっ
ておるのやら……」
 由宇が何気となく呟く。
 西山英志と猪名川由宇。
 このある意味どう考えても合わないような組み合わせ。
 由宇の方から実は、西山に声をかけていたのである。
 無論西山とて、騙し討ちとしか言いようのない作戦でもって自分の守護対象・柏木楓
の衣服を脱がされ、その柔肌を日の当たる場所に晒してしまったということ――無論、
“どよこん”というルールの下行われている、いわゆる“競技”でなかったなら、西山
のこと、こうも不覚はとらなかったに違いない。
 しかし、である。
 それを差し引いてもやはり今回は不覚以外の何者でもなく、そしてまた、その対象チ
ーム・風見鈴香とその一派に対しては、復讐の炎を灯さずにはいられない。
 しかし西山には、ここに至っても“ある理由”による迷いと逡巡があった。
 それは、鈴香組のメンバー構成に起因していた。
 大将の鈴香は競技構成上論を待たないとしても、副将格の牧村南、中堅を張っている
河島はるか、次鋒的ポジションのコスプレ3人娘の一人・芳賀玲子の親友の月城夕香と。
 切り込み隊長の先鋒格・YOSSYFLAME以外の4人、全て女性というその点が、
女性に拳を向けることを潔しとしない西山の戦意を甚だしく鈍らせていたのである。

“ウチが手、貸したろか?”

 SS不敗流の庵の前で懊悩していた西山に、声をかけたのが、そう。この由宇である。

“YOSSYFLAMEにはアンタの拳で、存分に借りを返すとええわ。
 あとの4人に関してはウチに任しとき? 女には女にしかわからん弱点ゆーんがある
んやから”

 数刻思案した後、西山は問う。

“俺を味方にすることで得られる貴方のメリット。いや、そもそもの貴方の狙いは何だ?”
“そうなぁ、一言で言えば……”

 あどけない童顔が舌なめずりをする。

“牧やん=つまりあんチームの牧村南を仕留めたい。それが当面のウチの目標や”

 由宇が何故南を狙うのか。
 西山は詮索しなかった。何よりさほど興味もない。
 だが、次に取る行動は、既に決まってあった。

“……手を貸そう”

 利害一致。
 それだけで、この急造チームは結成された。



「それにしても……」
「あまりにも鬱蒼としているな……」
「まるでオバケでも出そうなもんなんやけれどなぁ……」
 そう呟きつつ、草むらをゴソッと掻き分けた由宇の目に飛び込んだもの。

「……あ」
「……大庭ケのAーたろ」





「温泉パンダぁああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーああっ!?」

 宿命の、いや。……因縁の邂逅であった。
























=======================================


というわけで、ひさびさにどよコン執筆しました、YOSSYFLAMEです。
とりあえず覚えているところから適時書いて行こうかな、などと思ってます。

とりあえず、森の泉で水浴びしている鈴香さんチームに近づく
霜月さん&詠美ちゃんさまと皇さんに、西山さん&由宇姐さんが邂逅したという設定
ということで、よろしいでしょうか?




それでは、また〜