Lメモ自伝 act1 第13話 「悪魔に魂を売った者の末路」 投稿者:YOSSYFLAME
・・・『JJ』。
馬。SS不敗流と何らかの関係ありか?  現在無所属。
馬だけあって長距離には事欠かない快脚を持つ。
”あの”宮内レミィと大接戦を繰り広げた前歴あり。
萌えキャラ=柏木楓。

・・・『FENNEK』。
車。工作部所属。
さすが車だけあって、時代の変遷を感じさせるスピードを持つ。
元・峠の暗殺者。
萌えキャラ=HMX=13セリオ。

・・・『健やか』。
人間(か?)。暗躍生徒会副会長。
理屈なしの問答無用の健脚を持つ。
たまに自爆したりする傾向あり。
萌えキャラ=太田香奈子。



「――とまあ、以上が俺のアイデンティティを阻害する危険性のあるメンバーなわけだが、
これについて何か意見、質問はないかね?」
「はい。」
「うむ、何かね広瀬君。」
「・・・・・・・・・・・・・・。」
「どうした?  遠慮せずに言ってみたまえ、気が楽になるぞ。」
「一言だけよろしいでしょうか?」
「ああ、忌憚なき意見を期待しているよ。」

「勝手に風紀委員本部に上がり込んで何やってんだアンタわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」







Lメモ自伝  act1  第13話 「悪魔に魂を売った者の末路」







「まーまー委員長、落ち着いてくださいよ。」
「離しなさいとーるくん!  今日こそはこの男の息の根を〜〜〜〜〜!」
「ユカリ、怒ると美容によくないネ。」
「そーそ、女優は歯が命って言うじゃないの。」
「アンタが言うなあぁぁぁぁぁ!」
「・・・い、委員長ぉ(汗)。」
とまあ、あいかわらずといえばあいかわらずの風紀委員会メンバーではある。
ここに集まってるのは、委員長の広瀬ゆかりに委員長付の貞本夏樹。
それと、風紀委員メンバーの宮内レミィにとーる。
そして、風紀委員でもないのに何故かお邪魔しているYOSSYFLAMEの計5名である。
「ところでよっしーさん、なんでまたここで対策を考えるんですか?」
「だって、全生徒のファイルが見られるパソコンなんて、ここにしかないだろうに。」
「そんなの、私に聞いてくれればすぐなんですけど。」
「(ぽむ)あ、その手があったか。」
「とーるくんっ!  生徒ファイルは門外不出ですっ!」
「そんな固いこと言うなよ、小じわが増えるぞ。」
「アンタみたいなのがいるから門外不出なのがわからないのーーーーー!?」
このとーるという男、職務には忠実な男ではあるのだが、所々風紀委員という立場に固執していないところがある。
まあ、それも当然の話かもしれない。アフロだし。
しかし、それを言い出したらレミィだって風紀委に向いているとはちょっと言い難い。
こんなんでホントに大丈夫か風紀委員会(笑)。
ま、それはさておき、
「そいじゃ、ファイルも見せてもらったし、
アンタらんとこの委員長の血管切れないうちに退散するわ。じゃーねー!」
「ジャーネー!  ヨッシー!」
「待ちなさい!  まだ話は終わって――」
ゆかりの怒りもどこ吹く風、さっさと風紀委員長室を出ていったYOSSY。

「さてと、手っ取り早く俺の脚をパワーアップさせてもらえるところはないかな〜♪」



――Vol.1、工作部。

「とゆーわけなんですが、何かないですか?」
「あるわけないだろうか。」
一言。即断。即決。
「菅生先輩、アンタ鬼や。」
「あのな、だいたい、なんの努力もせずにパワーアップしようってこと自体間違っているんだよ。」
「努力して現在の地位が危ぶまれてるから言ってるんじゃないですか。」
水掛け論である。
「じゃあ、努力してパワーアップすればいいんじゃないでしょうか?」
「をを、さすが八希くん、ええ事ゆーわ〜」
さすが純粋に原点から物事を見られる男は違う。
八希望の一言に思わず感嘆する保科智子。
「こんなこともあろうかと、私が用意した特訓アイテムがあるんや〜〜〜♪」
何が嬉しいんだか知らないが、スキップしながら向こうへ消えて行く智子。
しかも特訓とか言ってるし。
ふつふつと嫌な予感を感じているYOSSYの側に、
どっすーん!

「どや!  私が考案した特訓アイテム『天翔龍閃養成ギプス』やっ!」

なんか至る所にスプリングがついている必殺のギプスのように”見える”。
「全身至る所425ヶ所の関節対応の超ギプスや!
これをつければよっしー君も2週間!  たった2週間で、あの”天翔龍閃”が撃てるんやーーーー!」
間に合ってます。
それに425ヶ所って、どっから出てきたんだその数字。
「智子君!」
「なんです?誠治さん。」
「確かに君の発明は秀逸だ!  世間の誰も決して真似が出来るものではないだろう!」
確かに真似できない。
「しかし!  このギプスには重大な欠陥があるんだ!  それは!  それはぁぁ!」
「それは!?   それは一体何や!?」

「どーやってつけるんだよ、このバネの固まり。」

ががーん!
「しまったぁぁ!  バネの高密化に気を取られて着脱に目がいかなかったわーーーーーーー!」
「気を落とすな智子君!  失敗は成功の母だぁっ!」
「うん、私はめげん!  今度は525ヶ所関節対応ギプスを作ったるでーーーーーーーーーーーーーー」
・・・1000ヶ所対応目指して頑張ってくれ。



――Vol.2  生物部。

「…そうですか、それで僕に力を借りに来たというわけですねっ…」
「何かいいドーピングとかないかなあ、葛田さん。」
怪しげな煙沸き立つ生物部部室。
そこで葛田玖逗夜は定例の妙な実験をしているというので、試しに来てみてはいるのだが・・・
「…足が速くなる薬なら、ここにもありますよ…」
「ほんとか!?  これで俺の念願が叶うときが来たのか・・・!」
「…これです…」
おもむろに妙な赤い液体をさしだす葛田。
なにか薄紫の煙がもうもうと立ち込めている。
しかも、なんか人型の植物が浮かんでるのだが。
「葛田さん、コレ何?」
「…マンドラゴアの68年物ですよっ…」
マンドラゴア。
呪術などによく使われる植物で、土から引っこ抜く際に妙な悲鳴をあげ、
その悲鳴を聞いた人間は死ぬといわれている。
「それはいいんだけど、そこに浮かんでる白いシャレコウベ、もしかして(ピー)骨?」
「…さあ・・・!…」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・

「じゃ!」
「…逃がしませんよっ!…」
しゅるしゅる・・・
葛田操る魔界植物のツタにからめとられるYOSSY。
「離せーーーーー!  離しやがれーーーーーーー!  俺は(ピー)なんか飲みたくねーーーーーーーー!」
「…意外とダシが効いているって評判がいいんですよ…」
「誰だそんなことぬかす奇特な野郎はーーーーー!?」
「…ウチのベネディクト君ですが・・・?…」
「あんなんと一緒にするなーーーーーーーーーーーーー!」

で、結局飲まされるし。

「…どうですかっ(すっげーわくわく)!?…」
ドクン!
「(…わくわく)」
ドクン!  ドクン!
「(…どきどき)」

ドクンッ!

「ククククク・・・フフフフフ・・・ハアッハッハッハッハァァ!!!!!」
邪悪度数100%YOSSY。
「…どんな感じですか?…」
「URYAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!」
ぶちぶちぃ!
化け物じみた奇声を上げ、紙を破るかのようにツタをぶち破るYOSSY。
「ハーーーーーーーーッハッハッハッハ!   勝テル!  勝テルゾ!  俺コソガコノ世デ最強ノ生物!」
どっからどうみてもイッちゃってるYOSSYを、しかしながら葛田は、
「…やった。ついに僕は神を創り上げたんだ・・・、絶対無敗の破壊神をっ!…」
などと自分の創り出した最高傑作などという言葉ではとても形容できない”それ”を見て陶酔している。
別人のように目を邪悪な欲求に血走らせ、
「カタッパシカラ最強ノ男達ヲ狩リマクリ、女達ヲ皆我ガ手ニオサメツクスッ!!!」
びゅん!
扉をぶち破って狩猟の欲求を満たしに出ていったYOSSYFLAME”だったもの”を、
葛田はいつまでも、いつまでも見つめていた・・・

「…夢が叶ったんだ・・・。僕だけの、僕だけの絶対不敗の破壊神だっ!!…」








「葛田っ!  実験体を野放しにするなって、いつも言ってるだろ!!」
10分後、”絶対不敗の破壊神”は、柏木梓にぼろべろにされて、そのあまりにも短い最強伝説の幕を閉じた。



――VOL.3、第二購買部。

「なんか体中が妙に痛いんだけどなあ・・・?  どしたんだろ?」
とかなんとか言っているうちに第二購買部に。
「こんにちはー!」
「おや、どうしました?よっしーさん。」
「びーかーさん、なんか足が速くなるアイテムみたいのないかな?」
「ああ、それならとっておきのが、ちょっと待っててくださいね。」
ニコニコしながら奥へ引っ込んで行くbeaker。
「これです。これさえ持っていれば今日からあなたは地上最速です!」
自信満々のbeakerから渡されたのは、
「って、ただのアルバムじゃないのこれ。」
いぶかしむYOSSYの肩を強く叩き、
「いいですか、これを手放しさえしなければ、必ず今日中にあなたは地上最速になれます!
だまされたと思って持ってるだけで結構です!」
「ああ・・・わかった、ありがとう・・・。」

「しっかし、あーは言われたけど、何なんだこのアルバムは?」
「・・・貴様が持っていたのか・・・」
「ん?   げ(大汗)」
「・・・藍原君の秘密の写真・・・貴様が持ってたとはなあ・・・!!」
「い、岩下先輩・・・?(しかもオロチモードときたもんだ)」

「殺す。」

beakerの言う通り、確かに瞬間的にだが、YOSSYは地上最速の称号を手にしたのかもしれない。
ただし、自らの命の98%を犠牲にして。
「(・・・や、やっとのことで、ま、まいたか)」
既に一歩も動けず、喋る事も出来ない。考える事自体が最大の労働になっている。
「(・・・俺の欲しい世界最速はこんなどさくさまぎれの火事場泥棒みたいのじゃないっての)」
たった一行思考した時点で意識は闇の底へと呑み込まれていった。



「ふふふ、やっとお目覚めのようだな。」

――VOL.4、・・・言わなくたってわかるでしょ?

「なあセンセーよー、今度はバッチリなんだろうなー。」
「心配ない。彼の脚には――」
「なに人の体を勝手に実験材料にしてやがる科学部ぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!」
地獄の底から響くような咆哮を上げ威圧するYOSSYであるが、そんなもんここの連中に効く訳がない。
「心外だな、我々は君の願いを叶えてあげていると言うのに。」
「そーだぞー!  お前が速くなりたい速くなりたいって走り回ってるのを見てだなー。」
「でぇ?  俺の脚に何をしたぁぁぁ?」
にこやか談笑モードの柳川とジン・ジャザムに呪詛を食らわせるが、・・・無駄だって。
「ゆき君、説明してあげたまえ。」
YOSSYの呪詛などどこ吹く風の柳川に、死刑執行文を読まされる心境だろうゆき。
「え、えっと・・・よっしー先輩の太股部分には・・・N2爆弾が・・・
「何でそんなもん人の足に仕込むかなてめーらぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!?・・・んがんぐ」
「人の説明をちゃんと最後まで聞けよ。・・・ゆき、続きだ。」
ジンに猿轡を噛まされて発言の自由まで失ったYOSSYに対し、死刑執行文、もとい、実験結果を伝えるゆき。
「・・・えっと、・・・それから・・・両膝には螺旋型貫通レーザーが2丁・・・」
「俺のたっての希望だぞ、嬉しいだろう?」
「んがんがんぐ〜〜〜!(公私混同だーーーーーーーー!)」
そーゆー問題か?YOSSY。
「それから・・・脛には・・・小型CDが2つ・・・」
「んがんん〜!?(小型CDだ〜!?)」
「だって、おしゃれでないとね、速いだけじゃなくて。」
「よっしーよっしー、嬉しいでしょ♪  ちなみに曲はブランニューハートよ♪」
「もう一つは俺の希望で鬼神楽のテーマだ。感無量だろうが?」
EDGEと四季まで出てきた日にはもう何も言う事はない。
ていうかすでに完全敗北。
「大丈夫だ。ちゃんと足元だけはロケットをつけたぞ。
もうDシリーズの火力など目じゃないほどにな!」
「ひでえセンセー!  何故それを俺につけてくれねー!?」
ご希望通りジン先輩につけてやれよ、俺こんなんいらんから。
「よっしーさん☆」
「あぁ〜、たけるさん〜・・・ぐすっ・・・聞いてくれよ・・・みんなが俺をいじめるんだ・・・」
邪気のないたけるの笑顔を見て、心の堰が壊れたかむぜび泣くYOSSY。そんな彼に優しく、

「よっしーさん、かっこいい〜☆」

瞬間、俺はあっちの世界の扉を蹴破った。



――そして。

情報特捜部部員シッポの協力で滑走路を借り、
そして、そこに集められた健やか、JJ、FENNEKの速さ三人衆。
「よっしー君、今更速さ勝負だなんて・・・」
「あの人も何考えてるんだか?」
「”ぜってーに負けねー”とか書いてやがるし。」

「そーさ、事ここに至れば、アンタらなんざにはぜってー負けねー!」

向こうから砂塵と共に現れたのは、見まがおうことなきYOSSYFLAME。
その瞳は既にこの世の事象を見つめているのかどうか。
ちなみに登場テーマ曲はブランニューハートである。
最後まで鬼神楽か迷った末の苦渋の決断であった。
個人的にはここのテーマは「残酷な天使の○ーゼ」が良いのだが(いいのか!?)
「俺は、俺は速さのために、手をつくし、ボロボロになって、地獄を見て、そしてあっちの扉を開けた。
全てを速さに捧げた俺に、勝てるものなら勝ってみろっ!!!」
頬の肉が削げ落ち、目にクマが出来、そして、その脚は既に人外のモノと化している。
正確に言えば捧げたのではなく捧げさせられたのだが、そこは置いておこう。
最初は戸惑っていた健やか達ではあるが、YOSSYの異常な執念を目の当たりにして、
『やってやろうじゃないの!!』

「ルールはただ走り抜けるだけ!  3000m徒競争だ!」
シッポの説明に4人は頷く
精神集中を入念に行う健やか。
パドックならではで滑走路を歩き回るJJ。
ロケットスタートが狙いだろう。爆音を鳴らすFENNEK。
彼らの心は一つ。
速さの魔物に魅入られたYOSSYFLAMEを解放する事。
そして、何も言わず天を仰ぐYOSSY。
「はじめようか・・・」
悪魔に魂を売ったかのような笑み。
4人の空間に稲妻が走る。
「スタンダップ!」
シッポの号令で位置につく4人。
勝負は一瞬。
スタートタイミングが全て!
「レディー――――ゴーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!」
パァン!



瞬間。
空間は白き閃光に包まれた。





「なんだなんだ!?」
「今の光は!?」
「大丈夫か、みんな!?」
「ああ、どうやらみんな大丈夫のようだな。・・・ん?」
「どうした?」
「よっしー君が・・・いない。」






――遠き宇宙の彼方。お願いヨーク、力を貸して!・・・な宇宙船。

「ドウダ、地球ノ同胞タチハ元気デヤッテルカ?」
「ええ、もう元気過ぎるほどに元気ですよまったく。
(全くだよ。宇宙にまで人をふっ飛ばすような改造するくらいね。)」
「何カ言ッタカ?」
「いえ別に。」
「今度遊ビニ行クト伝エテオイテクレナイカ?」
「いいですよ〜、エネルギーありあまってますから、彼ら。
(少しはマトモな技術とやらを伝えてやってくれ、仮にも同胞の星を滅亡させたくないのならな。)」






==============================================

どおもお、YOSSYです。

てなわけで、こーゆーお話です(爆)
ひさびさに夢幻の世界へ足を踏み入れた気がします(笑)
ちなみにYOSSYの改造はエルクゥの科学力で元に戻してもらって、
ついでに地球に帰してもらったらしいです(笑)

今作のお礼レスです〜
八希望さん、FENNEKさん。
出演どうもありがとうございました〜m(_)m
これからもよろしくお願いいたします。

感想ですが、近いうちにまとめて書きたいと思いますので、よろしくお願いします。
では、失礼いたします。