Lメモ・学園男女混合テニス大会! 第11章 「男たちの憂鬱」  投稿者:YOSSYFLAME


――皆様、ご機嫌麗しゅうございます。

わたくしめの名前は、セバスチャンこと長瀬源四郎と申します。
ちなみに、セバスチャンという名は、わたくしのご主人であらせられます
来栖川グループのご令嬢、来栖川芹香お嬢様につけていただいた、由緒正しいニックネームで御座います。
芹香お嬢様のお話によると、幸運になれるニックネームとのこと。
わたくしめのような卑賎のものにこれほどのお心づかいをしてくださるなんて…(涙)。
む…!
…皆様、今しばらく席を外すこと、お許しくだされ。



「芹香さん、無理しなくても、俺がいるから楽にやろうよ。」
「………。」
Aコート。つまり、1、2ブロックの試合会場の近くの木陰。
第1ブロック一回戦第3試合に出場予定の橋本と芹香が涼んでいた。
いつも通りの芹香に、リラックスさせるためかそれとも他の目的があるのか、
あれやこれやと話し掛けるはしも…



「喝ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」



「ひいいいい!」
「小童が…、貴様の汚らわしい手でお嬢様に触るでないわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
「す、すみません〜〜〜」
別に逃げなくてもいいのに一目散に逃げ去って行く橋本。
もっともこんなど迫力爺様に一喝された日には、たいていの野郎共は逃げて行くか。
「…………。」
「む、そうなのですか?  しかしお嬢様…、…わかりました。
しかし、何かあったらすぐにお呼びください。すぐにお迎えに参りますので…」



――お待たせいたしました。
芹香お嬢様も、お優しいのは大変結構なのですが…
悪い虫を駆除するのは、このわたくしめの役目で御座います。
ところで、何故にわたくしめがこのような学生のイベントに観客としているかといいますと、
お嬢様方の対戦相手の偵察で御座います。
今日は、綾香お嬢様に命じられて、
シードされていて2回戦から出番のお嬢様の対戦相手の情報収集なんですが…
いやですね、綾香お嬢様も、”自分の目で相手を見なくちゃ気が済まない”タイプでありまして、
本来ならば、偵察などはご自分でなされるのです。
エクストリームの王者としてのお心構え、本当に感心なされます。
しかしながら、何故この試合に限り

”長瀬さん…じゃなかった、セバスチャン、偵察よろしくね♪”

などとおっしゃられたのかと申しますと…



『さあ〜〜〜、いよいよ第6ブロック一回戦第2試合を開始するわよ〜〜〜!』
いつもながらハイテンションの志保。
『選手入場よ〜〜!  まずは、水野響選手、月島瑠璃子選手、どうぞ〜〜〜〜』

「はやや〜〜〜〜〜」
「響ちゃん、たくさんお客さんいるね。」
ててててて。
まさに、なんの迫力もない愛らしい入場である。
演出担当のひび猫はじめたくさんの猫達が、本場オーケストラさながらに登場テーマを演奏してくれている。
ちなみに、登場テーマは「タンゴ三兄弟」であったりする。
「水野く〜〜〜〜ん、こっち向いて〜〜〜〜〜♪」
実は彼のショタぶりに女子生徒達の母性本能が刺激されて、彼女たちの水野人気は急上昇なのである。
「はいです〜〜〜〜!」
「キャ〜〜〜、手を振ってくれた〜〜〜!」
もはや今大会の目玉の一人である。
「(瑠璃子…お兄ちゃんはいつでも見守っているからな。)」
ちょっと方向性が危なくなってきている月島拓也も、役員席ではらはらしながら見ている。

『続きまして〜〜〜〜!  セバスゥナガセ選手、阿部貴之選手の入場で〜す!』

こちらも薔薇部演奏による「さそ○座の女」のテーマで入場してきた。
「ご機嫌麗しゅうございます、セバスゥナガセでございます!!」
「マッスルタカユキ、只今推参!」



きゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!



…そして、観客の9分の8はいなくなった。



――これでございます。
綾香お嬢様が徹底的に偵察を避けた理由が。
ううっ、わたくしと同じ顔の生き物がピンクのフリルをつけて踊っている光景…(殺戮衝動を懸命に抑えている)



「はやややや〜〜〜」
「正々堂々と闘いましょうぞ!」
「うん、頑張ろうね。」
「…………。」

「それでは、試合開始!  サーブ、水野、月島組!」
「いくです〜」
「水野様、とくとご覧あれ!  私たちの奥義、必殺――



「「ポージングっ!!」」
同時に上半身ばかりか下半身までブリーフ一丁になりながら筋肉をこれみよがしに見せつける最低最悪の奥義!
しかし…



「はやや〜〜〜、かっこいいです〜〜〜」
「響ちゃん、気に入ったの?」
「はいです〜〜〜、お気に入りです〜〜〜」
「ぬう!?  水野様、この筋肉美を素晴らしいと言ってくださるのですか!?」
「はい〜〜、かっこいいです〜〜〜」
「うん、かっこいいよ。」
「ううう、痕本編では、ただのヤク中のホモの片割れとして扱われてきて
こんな俺にこんな時代がやってくるなんて〜〜〜〜!
君達、ありがとぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」
「ををををを〜〜〜〜〜、我が同士よ〜〜〜〜〜!!!!!」
感涙して水野&瑠璃子に迫るセバスゥ&貴之!

「瑠璃子に近寄るなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
「響に近づくもの、皆抹殺!」



(…以下、表現するにはあまりにおぞましい内容のため削除)








――『えー、この一連の騒動ですが、審判以下全てが悶絶状態に陥っていた為に、
即判断を下すことはできませんでした。』
緒方理奈の説明が続く。
『それで、VTRに撮ってあったものを再生した結果――



水野、月島組のご家族の方々の乱入による試合続行不可能行為といたしまして――
同組を失格処分とし、セバスゥ、阿部組の2回戦進出とさせていただきます!』



――
「はやややや〜〜〜」
「残念だったね。」
「でも、かっこよかったです〜〜〜」
「そうだね。(なでなで)」
「はややや〜〜〜〜」
負けた中でもほのぼのとした光景の響と瑠璃子。
そんな2人を撮影班長のひび猫と、
セバスゥと貴之、それと月島拓也と水野姉、他ジャッジ始め、たくさんの屍と血の海が祝福していた。


      セバスゥナガセ×阿部貴之組…2回戦進出なるも惨殺される。でも2回戦までには復活するであろう。多分。
      水野響×月島瑠璃子組…1回戦敗退。
      セバスチャンこと長瀬源四郎…本気で綾香達に試合放棄を勧告すべきか迷っている。




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ゆかり:みなさん、お元気でしたか!  広瀬ゆかりです!
        今日は私一人であとがきを担当をさせていただきます。
        え?  よっしーはどうしたか、ですか?
        彼は今頃遠いところへ旅立っていることでしょう――
        
(ちなみにYOSSYは連日連夜のテニス描写未執筆の罪で、某富士の樹海に簀巻きにされ放置されている…らしい)

ゆかり:そういうわけで、ギャラさん、そして水野さん。誠に申し訳ありませんっ(深々)
        作者には十二分に反省させますので…

よっし(某富士の樹海から生中継):でも、敗者の方でも出演していただくかもしれないので、よろしくお願いします。
       さて、次回は、今度こそ3ブロック第2試合の決着と、多分2ブロック第2試合です。
       次回も、よろしく待っていてくれると幸いです。

ゆかり:…あれ?


ギャラさん、水野響さん、今大会のご参加誠にありがとうございました。