Lメモ・学園男女混合テニス大会! 第7章 「魅惑の異世界対決!」  投稿者:YOSSYFLAME


「ゲーム!  アンド、マッチ・ウォン・バイ、皇、エリア組!  ゲームポイント、6−1!」

「よし!」
「やったあ!  すごいよ、エリア!」
開幕試合を制したエリア達に惜しみない祝福の言葉を贈るティリアと幻八。
その声が聞こえたのかどうか、彼女の方を振り向き手を振るエリア。
「嬉しそうじゃねえか、アイツ。」
ニヤニヤしながらラフな格好で、いつのまにか横に立っている女、サラ・フリート。
「そうね…」
そう言っているティリアも嬉しそうだ。
「あーあ、アタイも出たかったよなあ〜、誰も誘いに来てくれねえんだもんなあ〜」
いかにも残念そうなセリフを、これぽっちも残念そうに聞こえない口調でのたまうサラ。
「そりゃそうよ、もともとあたしたちはルールとかいうのを知らないんだから。
あたしだって、やっと幻八に頼み込んで出してもらったんだから。」
「…はあ…(汗)」
不意に溜息をついてしまう幻八。
ここ数日の地獄のテニス特訓が思い出される。
ただ、地獄だったのは習う方のティリアではなく、教える方の幻八だったりしたわけだが。



――
「だーかーらー、ちゃんとワクに入れてくれよぉぉぉぉぉ」
「だって、うまく入んないんだから仕方がないじゃない。」
「そもそもラケットの持ち方からして間違ってるんだよ。こうだこう!」
「そんな窮屈な持ち方できないわよ!」
生まれもっての戦士であり、いくつもの修羅場を潜りぬけてきたティリア。
それ故に、すっかり染み付いてしまっている握りはいかんともしがたいものになっていた。



――
「ゲーム!  幻八、ティリア組、4−4! …っていうか、
あんたたち、ちゃんと試合せんかいっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっ!!!」



「天が呼ぶ地が呼ぶヒトゲノム!  マジカルティーナ、推参よっ☆」
「がるるるるっ!(だから、ルールは教えただろうがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!)」
こっちもこっちで地獄の展開になってきた。
なにせルールを全く知らない上に、超絶的性格のマジカルティーナに、
佐藤昌斗…もとい、佐藤ポチは振り回されっぱなしなのであるから。
「ティーナっ!  ちょっとは真面目にやりなさいって!」
「へーんだ、真面目にやってるよ〜だ!」
スポーツにかけては一日の長があるルーティの助言にも、一切耳を傾けない。
なんとこの試合のポイントは、
フォールトやネットやアウトなど、ほとんどがミスによる献上点なのであるから。

「タイムっ!」

突如響き渡った鋭い声。
「ジャッジ、作戦タイムを若干欲しいんですが。」
そういってコートに入ってきたのは、愛娘の応援に駆けつけた風見ひなた。
本来ならテニスというスポーツは、試合中に助言の類は一切受けられないことになっている。
なっているのだが、
「…10分だけ許可します。」
ジャッジの大岡裁き。
このまま試合を続行させても、ミスポイントばっかりで盛り上がりやしない。
まあ、別な意味で盛り上がってはいるのだが。
「よっしゃ!  こっちも作戦タイムもらうぜ!」
言うや否や飛び出してきたのは、鞭ムチお姉さま、サラと、勇者さまご一行の良識派、エリア。

ここに、超絶的な作戦タイムが幕を開けた――




――Dコート、8ブロック一回戦第1試合。

『第8ブロック一回戦第1試合に出場予定の葛田選手、神無月選手、
大至急Dコートに来てください、繰り返します――』

ざわざわざわざわ…

前評判では一番の激戦区と言われている、この第8ブロック。
その第1試合、TaS、電芹ことセリオ@電柱組vs葛田玖逗夜、神無月ろーず組が
本来ならば既に始まっていてもいい頃なのであるが、

『第8ブロック一回戦第1試合に出場予定の葛田選手、神無月選手、
大至急Dコートに来てください、繰り返します――』

さっきからアナウンスで呼んでいるにも関わらず、一向にやってくる気配を見せない葛田達。
「おいおい、いきなり試合放棄かオイ?」
選手専用席にどっかりと座りながら、秋山登が揶揄を入れる。
「西山君、どう思う?」
「葛田か…このまま大人しく棄権する奴とは思えないしな。」
続く第2試合に出場予定の岩下信と西山英志が話している、その時、

ざわざわざわざわ…

『き、来ましたーーーーーーっ! って、え?』
言葉が止まる理奈。
周囲のざわめきはますます大きく。
『か、神無月選手、一人だけ…ですか?』
そう、男の分際で、ピンクのテニスウェアなどを着ているが、元々中性的な顔立ちのために違和感がない。
しかし、それがかえって恐怖を誘う。
「…試合を…」
「え?」
既に入場して準備万端のTaS達を全く無視し、ジャッジに訴えるろーず。
「試合を…はじめてください…」
「え!?」
さすがにうろたえるジャッジ、そんな彼をフォローするかのように、
「ヘイ!  この試合はだぶるすデスヨ〜、りーずサン?」
「…わかってますよ、それと、今の僕は”神無月ろーず”ですよ、TaSさん。」
「バァ〜〜〜ット、葛田サンが来ていない以上試合にはなりまセンネ〜〜〜〜、りーずサン?」
人の話を全然聞いてないことうけあいのTaSを無視して、再びジャッジに訴えるろーず。
「試合を開始してください…」
「でも、葛田選手がいない以上…」



「もう、来ていますよ…!」



「ますたぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!  上だあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
「HA!  その手は食いませんヨBoy!」
「きゃっ!?」
いち早くデコイの叫びを察知したTaS、電芹を抱き上げ後ろに飛びすさった!

ずしゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!

次の瞬間、さっきまでTaSがいたところに黒き物体が!  その物体こそ――









【はずれ】








ぼこぼこぼこぼこぼこっ!!!
「OH!  SHIT!」
「…残念でしたっ、下ですよっ…!」

ごばあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!    ばきいっ!!!

「OH!NO〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!」
突然Dコートの地下からモグラのように出てきてTaSに痛烈な一撃を加えた、その黒衣の男こそ――









「…はじめまして、葛田玖逗夜です…」









静寂が途端に切れた。
歓声と怒号があたりに巻き起こる。
「な…」
「ななな…」
「ななななな…」



「何がはじめましてだこの野郎ーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!」
「似たようなパターンで2度も出てくんじゃねえ!」
「コートどうしてくれるんだコラァァァァァァァァァァァァァ!!」
「失格だ失格っ!  帰って飯食ってくたばってろーーーーーーーーーーーーーーーーーー!」

もとい、歓声はなく、怒号だけが飛び交っていた。



『みなさーん!  物は投げないでくださ〜い!』



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どおもお、YOSSYです。

ゆかり:こんにちは、広瀬ゆかりです!
よっし:いやあ、今日もゆかりちゃん綺麗ですねえ〜
ゆかり:…………(突如氷の面差しになる)
よっし:あの〜、ゆかりさん?
ゆかり:何よコレ。
よっし:何って、テニスLだが?
ゆかり:ほう、これがテニスLね。
よっし:どっからどう見ても立派なテニスだろ?
ゆかり:あなたね。
よっし:ん?
ゆかり:読者をなめてんのあなたわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!

(以下数分、惨劇(笑))

よっし:そーは言うけどよ、なかなか書きがいがある試合だから。
ゆかり:だからって、人の作品パクることないでしょう!  しかも分野が全然違うじゃないの!
よっし:でも書いてみたかったんですよ、葛田さんの登場シーン。
        葛田さん、beakerさん、申し訳ありません。(深々)
ゆかり:…で?  次回は?
よっし:この2試合決着編。
ゆかり:決着って、8ブロック、まだやるの?
よっし:当然。あれくらいで失格になるほどこの学園は甘くない。
ゆかり:そういうことらしいんで、今回で見捨てないで、読んでやってください。(礼)
よっし:よろしくお願いします。(礼)



幻八さん、佐藤昌斗さん、葛田玖逗夜さん、神無月りーずさん、
今大会のご出場、誠にありがとうございました。m(_)m