「いいか、ティリア、あのワン公をよーく見ろ。」 第4ブロック一回戦第1試合、幻八、ティリア組vsマジカルティーナ、佐藤ポチ組の試合。 凄まじいノーコン合戦が繰り広げられ、 見るに見かねた両チームの応援者がアドバイスタイムをとると言う、 テニスの試合にしては結構珍しい展開になっていた。 で、こちらはティリアサイドのコート。 サラが何やらティリアに入れ知恵をしていた。 「いいか、よく見てみろ…」 「うんうん…」 「なんか見ててムカつかねえか? あの間抜け面。」 「うんうん、言われてみれば。」 「なんかよお、お祭り…だったか? あれの的みたいな感じじゃねえか?」 「…なんかふつふつと闘志が湧いてきたわ。」 「よし、じゃあやることはわかってるな?」 「…うん! わかったわ!」 「…お前らなあ。」 冷や汗だらだら流している幻八の言葉が聞こえているのかどうか、闘志に魂燃やすティリア。 「プレイっ!」 「よーしっ! いっくよー!」 すぱーんっ! 風見のアドバイスが効いたのか、今までとはうってかわって素直そのもののティーナのサーブ。 ぱしっ! それを幻八が綺麗に返す。 「えいりゃっ!」 妙な気合を込めてティーナが返す。と同時にポチが前衛に出る。ダブルスの常套手段。 その時、 「でええぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!」 すぱーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーんっ! ……ばきゃっ! 「イン! 0−15!」 「やったあ! サラ! うまくいったよ!」 「よーし! よくやった!」 絶対に何かを勘違いしているティリアとサラ。 そしてその横で冷や汗をだらだら流しているエリアと、試合中の幻八。 そして、ネットの向こう側でボールの直撃を食らってのびている一匹の犬の姿があった(笑)。 ――所変わって、第1ブロック一回戦第2試合。 「ゲーム! 榊、木神組、2−3!」 「…ふう。」 試合はまだ中盤だと言うのに、既に満身創痍の榊宗一。 「お兄ちゃん、ごめんね…」 そんな榊の状態を、泣きそうな目で見つめる木風。 「ううん、いいんだよ、よく頑張ってるね、木風ちゃん。」 そんな彼女ににっこり笑い掛けながら、その小さな頭を優しく撫でる榊。 「さて、そいじゃ頑張ろうか。」 「うん…」 ふらふらになりながらもひょこひょこ歩いてゆく榊。 何故にこのペアはこんなに悲壮感漂っているかというと… スパーーーーーーーンッ! すしゃっ! まさに鬼のような強さ。 対戦相手、四季、柳川裕也コンビ。 少しでも甘い球が来ようものなら、凄まじいリターンを返されてしまう。 しかも、 「せりゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」 どんっ! 柳川のリターンは、確実に後衛の木風側を狙ってくる。 四季のリターンにしてもそれは同じ。 相手の弱点を徹底的に突いてくる。 相手が幼女だろうと一切の手加減無し。ある意味とっても彼ららしい攻撃。 「きぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!」 どんっ! そのほとんどがら空きともいえる木風サイドを懸命にカバーしているのが榊。 天然理心流独特の、野暮ったいが破壊力のある剣筋をラケットに宿らせ、懸命の反攻に出る。 が、しかし、実質2対1の不利な状況に加え、榊に勝るとも劣らない鋭い打撃を持つ2人を相手に そのペースがそう長く続くはずもなかった。 「ゲーム! 四季、柳川組、5−3!」 そう宣言されたとき、榊は倒れた。 「お…お兄ちゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!」 木風がついに泣き叫ぶように倒れた榊に抱きつく。 「よく頑張ってたけどね、榊先輩…」 「これも勝負だ、悪く思うな。」 既に試合続行不能と見た四季達はコートを去って行く。 「…待てよ。」 「「!」」 「お、お兄ちゃん!」 もはや力尽き戦闘不能状態の榊が立ち上がった。 「悪いが…自分の連れ合いを泣かせたまま帰るわけにはいかないんだよ…」 「お兄ちゃん、もういいよ、やめようよ!」 榊のあまりに痛々しい姿に泣きながらすがる木風。 しかし、そんな彼女の頭を優しくなででやり、 「木風ちゃん、ありがとう、心配してくれて… これで…また、闘える…。だから、泣かないで、ね?」 頷く木風。 彼女が一体何を思って頷いたのかはわからない。 しかし、これだけはしっかりと思った。 もう、泣いたりはしないと。 「ゲーム! アンド、マッチ・ウォン・バイ、四季、柳川裕也組! ゲームポイント、6−3!」 「終わったか…」 よろよろになりながらも、榊からは悔しげな素振りは見えなかった。 「お兄ちゃん、わたしの肩につかまって?」 「木風ちゃん…」 そう言って微笑む木風。 その笑いの中に、彼女なりのひたむきさが見え隠れして、それがなんとなく嬉しかった。 「…ありがとう。」 そういって自分の手を、そっと木風の肩に置き、そのまま退場して行く榊。 その顔は、成長する者を見続ける者の、まさにその顔だった。 四季×柳川裕也組…2回戦進出! 榊宗一×木神木風組…1回戦敗退。 ============================================== どおもお、YOSSYです。 ゆかり:こんにちは、広瀬ゆかりです! 今回は本題の前に… beakerさん、ぐらっぷらーLメモ完結 おめでとうございます、そしておつかれさまでした〜、最後に、とっても楽しかったです(最敬礼) …まあ、私が一回戦で負けたのがちょっとかな?(ぼそ) よっし:負けるに決まってんだろが、相手見て言えよ、あ・い・て。 ゆかり:何よ、あなただって緒戦で負けたじゃないのよ。 よっし:(ち、ファイナルガール用の写真たくさん用意しといたのに。 使っちゃ駄目とかぬかしやがるし、 あれさえ使えれば俺の優勝だったのに(ぼそ)) ゆかり:あなたね。人間のプライドを捨ててまで勝ちたい訳? よっし:な、なんのことかな? ゆかり:…聞こえてるんだけど。 よっし:(冷や汗だらだらながらも聞き流し)ま、そーゆーわけで… 本当にお疲れさまでした〜(^^) あ、あと、YOSSYを途中からでも出していただき、本当にありがとうございました。m(_)m よっし:さて、本題に入るか。今作のコンセプトは、榊ご夫妻をどれだけ書けたかにつきます。 ゆかり:実は風紀委員会でも、なかなか頼りにしている先輩なんです。 よっし:じゃ、今作はこの辺で―― ゆかり:待ちなさいよ。(むんずっ) よっし:ええい離せ、帰ってビール飲んで野球見て寝るんだっ。 ゆかり:あなたLメモでは高校生でしょうが。 それよりも、前回での次回予告、あれどうしたのよ。 よっし:(冷や汗だらだら) ゆかり:…(ジト目) よっし:申し訳ありませんっ。m(_)m なんとか書きたかったのですが、先にこっちの方がネタ上がっちゃって、 本当にすみませんっ。 ゆかり:反省してるみたいなんで、許してあげてください。(深々) ゆかり:あとねえ、TaSさんの名前、お礼リストになかったのよね。 よっし:すみません。たすさん。本当に申し訳ありませんでした。(深々) よっし:で、次回は、できれば、あの2試合やりたいんですが、 3,5,7ブロックの一回戦第2試合がからむかもしれません。ご了承ください。 今回ご出演してくださった。四季さん、榊宗一さん。本当にありがとうございました。 それと、練習Lメモや、ライバル舌戦Lメモ、試合後Lを書いてくださっているみなさま。 本当にありがとうございます。 これからもみなさまよろしくお願いします。