Lメモ・学園男女混合テニス大会! 第8章 「小さな花に小さな肩」  投稿者:YOSSYFLAME


「いいか、ティリア、あのワン公をよーく見ろ。」

第4ブロック一回戦第1試合、幻八、ティリア組vsマジカルティーナ、佐藤ポチ組の試合。
凄まじいノーコン合戦が繰り広げられ、
見るに見かねた両チームの応援者がアドバイスタイムをとると言う、
テニスの試合にしては結構珍しい展開になっていた。
で、こちらはティリアサイドのコート。
サラが何やらティリアに入れ知恵をしていた。
「いいか、よく見てみろ…」
「うんうん…」
「なんか見ててムカつかねえか?  あの間抜け面。」
「うんうん、言われてみれば。」
「なんかよお、お祭り…だったか?  あれの的みたいな感じじゃねえか?」
「…なんかふつふつと闘志が湧いてきたわ。」
「よし、じゃあやることはわかってるな?」
「…うん!  わかったわ!」
「…お前らなあ。」
冷や汗だらだら流している幻八の言葉が聞こえているのかどうか、闘志に魂燃やすティリア。



「プレイっ!」
「よーしっ!  いっくよー!」
すぱーんっ!
風見のアドバイスが効いたのか、今までとはうってかわって素直そのもののティーナのサーブ。
ぱしっ!
それを幻八が綺麗に返す。
「えいりゃっ!」
妙な気合を込めてティーナが返す。と同時にポチが前衛に出る。ダブルスの常套手段。
その時、
「でええぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!」

すぱーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーんっ!
……ばきゃっ!

「イン!  0−15!」
「やったあ!  サラ!  うまくいったよ!」
「よーし!  よくやった!」
絶対に何かを勘違いしているティリアとサラ。
そしてその横で冷や汗をだらだら流しているエリアと、試合中の幻八。
そして、ネットの向こう側でボールの直撃を食らってのびている一匹の犬の姿があった(笑)。



――所変わって、第1ブロック一回戦第2試合。

「ゲーム!  榊、木神組、2−3!」

「…ふう。」
試合はまだ中盤だと言うのに、既に満身創痍の榊宗一。
「お兄ちゃん、ごめんね…」
そんな榊の状態を、泣きそうな目で見つめる木風。
「ううん、いいんだよ、よく頑張ってるね、木風ちゃん。」
そんな彼女ににっこり笑い掛けながら、その小さな頭を優しく撫でる榊。
「さて、そいじゃ頑張ろうか。」
「うん…」
ふらふらになりながらもひょこひょこ歩いてゆく榊。
何故にこのペアはこんなに悲壮感漂っているかというと…

スパーーーーーーーンッ!

すしゃっ!
まさに鬼のような強さ。
対戦相手、四季、柳川裕也コンビ。
少しでも甘い球が来ようものなら、凄まじいリターンを返されてしまう。
しかも、

「せりゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
どんっ!

柳川のリターンは、確実に後衛の木風側を狙ってくる。
四季のリターンにしてもそれは同じ。
相手の弱点を徹底的に突いてくる。
相手が幼女だろうと一切の手加減無し。ある意味とっても彼ららしい攻撃。
「きぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!」
どんっ!
そのほとんどがら空きともいえる木風サイドを懸命にカバーしているのが榊。
天然理心流独特の、野暮ったいが破壊力のある剣筋をラケットに宿らせ、懸命の反攻に出る。
が、しかし、実質2対1の不利な状況に加え、榊に勝るとも劣らない鋭い打撃を持つ2人を相手に
そのペースがそう長く続くはずもなかった。

「ゲーム!  四季、柳川組、5−3!」

そう宣言されたとき、榊は倒れた。
「お…お兄ちゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!」
木風がついに泣き叫ぶように倒れた榊に抱きつく。
「よく頑張ってたけどね、榊先輩…」
「これも勝負だ、悪く思うな。」
既に試合続行不能と見た四季達はコートを去って行く。



「…待てよ。」



「「!」」
「お、お兄ちゃん!」
もはや力尽き戦闘不能状態の榊が立ち上がった。
「悪いが…自分の連れ合いを泣かせたまま帰るわけにはいかないんだよ…」
「お兄ちゃん、もういいよ、やめようよ!」
榊のあまりに痛々しい姿に泣きながらすがる木風。
しかし、そんな彼女の頭を優しくなででやり、
「木風ちゃん、ありがとう、心配してくれて…
これで…また、闘える…。だから、泣かないで、ね?」
頷く木風。
彼女が一体何を思って頷いたのかはわからない。
しかし、これだけはしっかりと思った。
もう、泣いたりはしないと。



「ゲーム!  アンド、マッチ・ウォン・バイ、四季、柳川裕也組!  ゲームポイント、6−3!」



「終わったか…」
よろよろになりながらも、榊からは悔しげな素振りは見えなかった。



「お兄ちゃん、わたしの肩につかまって?」



「木風ちゃん…」
そう言って微笑む木風。
その笑いの中に、彼女なりのひたむきさが見え隠れして、それがなんとなく嬉しかった。
「…ありがとう。」
そういって自分の手を、そっと木風の肩に置き、そのまま退場して行く榊。
その顔は、成長する者を見続ける者の、まさにその顔だった。



      四季×柳川裕也組…2回戦進出!
      榊宗一×木神木風組…1回戦敗退。



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どおもお、YOSSYです。

ゆかり:こんにちは、広瀬ゆかりです!
        今回は本題の前に…

        beakerさん、ぐらっぷらーLメモ完結
        おめでとうございます、そしておつかれさまでした〜、最後に、とっても楽しかったです(最敬礼)

        …まあ、私が一回戦で負けたのがちょっとかな?(ぼそ)

よっし:負けるに決まってんだろが、相手見て言えよ、あ・い・て。
ゆかり:何よ、あなただって緒戦で負けたじゃないのよ。
よっし:(ち、ファイナルガール用の写真たくさん用意しといたのに。
        使っちゃ駄目とかぬかしやがるし、
        あれさえ使えれば俺の優勝だったのに(ぼそ))
ゆかり:あなたね。人間のプライドを捨ててまで勝ちたい訳?
よっし:な、なんのことかな?
ゆかり:…聞こえてるんだけど。
よっし:(冷や汗だらだらながらも聞き流し)ま、そーゆーわけで…

本当にお疲れさまでした〜(^^)
あ、あと、YOSSYを途中からでも出していただき、本当にありがとうございました。m(_)m


よっし:さて、本題に入るか。今作のコンセプトは、榊ご夫妻をどれだけ書けたかにつきます。
ゆかり:実は風紀委員会でも、なかなか頼りにしている先輩なんです。
よっし:じゃ、今作はこの辺で――
ゆかり:待ちなさいよ。(むんずっ)
よっし:ええい離せ、帰ってビール飲んで野球見て寝るんだっ。
ゆかり:あなたLメモでは高校生でしょうが。
        それよりも、前回での次回予告、あれどうしたのよ。
よっし:(冷や汗だらだら)
ゆかり:…(ジト目)
よっし:申し訳ありませんっ。m(_)m
        なんとか書きたかったのですが、先にこっちの方がネタ上がっちゃって、
        本当にすみませんっ。
ゆかり:反省してるみたいなんで、許してあげてください。(深々)
ゆかり:あとねえ、TaSさんの名前、お礼リストになかったのよね。
よっし:すみません。たすさん。本当に申し訳ありませんでした。(深々)
よっし:で、次回は、できれば、あの2試合やりたいんですが、
        3,5,7ブロックの一回戦第2試合がからむかもしれません。ご了承ください。


今回ご出演してくださった。四季さん、榊宗一さん。本当にありがとうございました。

それと、練習Lメモや、ライバル舌戦Lメモ、試合後Lを書いてくださっているみなさま。
本当にありがとうございます。
これからもみなさまよろしくお願いします。