L学恋愛趣味レーション「ナンパ師YOSSY本領発揮その2・雛山理緒編」 投稿者:YOSSYFLAME

「…誕生日?」
「そうですよ、御存じないですか?」
「知ってる。理緒ちゃんのでしょ?」
「さすがですねよっしーさん。伊達にL学のナンパ師名乗ってませんね。」
「そりゃあもお(注:作者は今日の今日まで忘れてました^^;)」
L学2年学生棟。YOSSYFLAMEとbeakerがなにやら話をしていたり。
「で、プレゼントはどうするんですか?」
「そうだねえ――」



「――って、これだよ。」
苦笑するしかないYOSSY。
放課後、つてをたどって理緒を探し回っていたYOSSYであるが、
実にあっさり理緒はつかまってくれたりした。

そう、理緒は自分の誕生日だと言うのに、ゲームセンターでバイトなどしていたのである。

「…何考えてるんだあの子は一体…!?」
いいかげんここまで勤労意識が強いと、かえって苛立ちが強くなったり。
「(beakerさんがせっかく有給くれたってのに、全然それを有効活用してないんだからさ…)」
考え込むYOSSY。
「さて、どうしたものか――?」

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COMMAND?

1、某ある野郎を無理矢理連れて来て手伝わせる。
2、こうなったら自分が代わりにバイトする。
3、せっかく誕生日なんだからさあ…

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1、某ある野郎を無理矢理連れて来て手伝わせる。

「…ふう、寒いですねえ…」
屋台をどっしり構えて営業などやってるのは猫町櫂だったりする。
「(…雛山さんに買ったプレゼント、結局渡せずじまいなんですかね…)」
小さな手袋を眺めため息をつく猫町。

どどどどどど…
「ん…?」



「ひっさーーーーーーつ!  わっふるアターーーーーーーーーーーーーーーーーーック!」



ずべしゃあっ!
「うぐぅうぐぅうぐぅうぐぅ!」
どこからともなく現れた無数のワッフルを全弾マトモにくらった猫町。
「な、なんなんだ一体…!?」

「……よお、猫町君。」
ワッフルの飛んできた方向を見ると、木刀を持ったヤサ男が睨み付けていたりした。
「…あれ、よっしーさんじゃないですか。」
「……わっふるアタックエクストラ。」
べしゃっ!
再びワッフルを猫町の顔面にぶつけるYOSSY。
「何するんですかよっしーさんっ!」
「……何するんだ、だと?」
ついど見せることのないYOSSYの眼光に思わず怯んでしまう猫町。
「あんたこんなとこで一体何やってんの?」
「何って…屋台の営業ですが…」
「……わっふるアタックスペリオール。」
べしゃっ!
「いや、だからそれはいいですけど…」
既に猫町の顔面はワッフルの残骸でべっとりだったり。
「営業なんかいいから来い!  今日は貴様は強制労働だ!」
「な、なにするんですか!?」
「やかましい!  今日に限り口答えは一切許さねえからな!」
ずるずるずるずる。
猫町を完璧に強制的に引きずり回して連れて行くYOSSY。
果たして目指す場所は――



「…猫町…くん?」
「…あ、ども…」
そう、ここは理緒が働くゲームセンター。
突然の助っ人に驚く理緒と、意外な展開にうろたえる猫町。
「(よっしーさん、それで…)」
YOSSYの奸計を知り、思わず苦笑の猫町。
「猫町くん、そんな、て、手伝ってくれなくてもいいのにっ…!」
で、予想通りうろたえる理緒。
そんな彼女を見ているうちに、なにやら微笑ましい気持ちになってきた猫町。
「…いえ、今日は手伝わせていただきますよ。」
そう優しく微笑み、理緒の手に手袋をはめてやる。
「あ…」
目を見開いて頬を紅く染める理緒に、優しく、一言を贈る…
「雛山さん、お誕生日おめでとうございます…」
「ありがとう…、猫町くん…、これ…あったかいよ…」
空には雲一つないはずなのに、理緒の足元には雫の痕ができていた。



――そのころ。

「ナニこれ!?  全然食べられたものじゃないじゃない!  だいたいなんであなたが屋台にいるのよっ!」
「やかましい広瀬!  食いたくなけりゃとっとと出てけ!  …もちろん金は置いていけよ。」
代理屋台主人のYOSSYは、それなりに仕事をこなしていたそうな。





――ま、一番ありそうなEND(笑)

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2、こうなったら自分が代わりにバイトする。


「というわけで、今日は俺が理緒ちゃんの代わりにバイトするから、
理緒ちゃんはお誕生日を満喫すること!」
「よっしーくん…、でも…」
「……これは命令です。あなたの上司(beaker)からのね。」
「…でも…いいの?」
「ああ大丈夫大丈夫!  理緒ちゃんの代わりは立派に果たすから!」
「…よっしーくん…」
「…ん?」

「…ありがとう。」



「ふう、やっと行ったか理緒ちゃん。あの子もなあ、俺の十分の一でいいからだらけないと
身体も心も持たないぜそのうち…」
ふう、と一息つくYOSSY。
「よっしゃあ!  今日は働き者の理緒ちゃんの代理だからな、気合入れて仕事するか!」



「…ただいまー」
特に誰を誘うこともなく家路に就いた理緒を待っていたのは――

「はっぴばーすでーリオネーチャン!」

ぱちぱちぱちぱち。
家に入った途端、理緒を迎えてくれたのは、小さくつつましやかな拍手と、
「……良太。」
彼女の最愛の弟、雛山良太。それにもう一人、

「……理緒、17歳のお誕生日おめでとう。」

「……お母さん。」
弟同様、かけがえのない存在である母が、布団から起き上がって迎えてくれた。」
「お母さん、入院してなきゃダメなんじゃ…?」
心配するような理緒を安心させるように、
「大丈夫。今日はちゃんとお医者さまに許可をいただいたから…」
理緒を安心させるような笑みを浮かべ、
「理緒、こっちに来て。」
「う、うん…」
母の言う通り、歩いて行く理緒。
と、母の目線に合わせた頭をつかまえられ、
「あっ……」
母の胸に頭を抱きかかえられる。
「大きくなったね、理緒…」
ただ慈しむように愛娘の頭を優しく撫でる母。
そうこうしているうちに感極まったのか、理緒自ら母の胸に頭を強く埋める。
その肩は震え、その声も震え…
「ごめんね理緒、お誕生日だって言うのに、これくらいしかしてあげられなくて…」
「…いいの……いいのっ……」
慎ましやかな雛山家の誕生会。
母の胸に頭を埋め、いつまでもいつまでも理緒は泣きじゃくっていた。



――そのころ。

「(何で…何でよりによって……俺がバイトしてるときに限って………!!!)」

「世界を愛の色に大染め!  エルクゥユウヤ、惨状ヨ☆」
「天が呼ぶ地が呼ぶヒトゲノム!  マジカルティーナ推参だいっ!」
「あおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん……」
ごしゃぐしゃべきゃごかばきゃ…
「ちくしょおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!  Dセリオ!  今日こそ決着つけてやる!」
「――あらあら、ゲームにすら負けたのがよほど悔しいと見えますね(にやり)」
ちゅどどどどどどどど…
「楓ぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!」
「西山ぁ!  楓ちゃんとプリクラ撮れたからっていい気になって暴走してんじゃねえぞお!」
どどどどどどどどどど…

「あーキミキミ。」
ぽんぽん。
日々事勿れ主義が身体ごと滲んで来ているような店長に肩をたたかれるYOSSY。
「キミ、止めてね。」
「…………………………はい。」
所詮雇われたものの悲哀。
とぼとぼと地獄のど真ん中に向かい、YOSSYは歩を進めるのでありました。




――理緒家族愛エンド(YOSSYデッドエンド^^)

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3、せっかく誕生日なんだからさあ…



『雛山さんお誕生日おめでとーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!」』

「え!?  え!?」
バイト中の理緒に突然訪れた幸せの天使達。
「雛山さん、お休みをあげたじゃないですか。あなたという人は。」
「う…beakerくん…」
「まあまあ、せっかくの誕生日なんだからさ、とびっきり可愛い雛山さんを残してあげるよ。」
「…デコイくん…」
「そうだよ理緒。せっかくの誕生日なんだから、みんなで祝うのがセオリーってもんだよ。」
「理緒さん、お誕生日おめでとうございます…」
「坂下さん…沙耶香さん…」
「あの…これ…その…」
「だあ!兄貴はぁ!  ははっ…、兄貴がお料理研究会を代表してのプレゼントだって、受け取ってあげて!」
「そうそう、誕生日だからさ、受け取って!」
「東雲さん……恋さん……勇希先生……」
「理緒おねえちゃん、おたんじょうびおめでとう!」
「おめでとう、理緒ちゃん。」
「靜ちゃん……きたみち先輩……」
「これをつくってみたんです!  理緒さんにとってもよく似合うと思うんです!  この科学部特製はんてん!」
「ひめろくくん…」
第二購買部メンバー大集合の佇まい。
あまりのことに二の句がつげない理緒。
「もともとはある人が僕らを呼んでくれたんです。
『店番なら俺がやってやるから』ってね。」
「ティーくん…」

「さて、今日はもう、ただただ雛山さんの誕生日をお祝いするために――
みなさん、張り記って騒ぎますよーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!」
「おーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!」

「みんな…」
思わず涙ぐんでしまう理緒。

「今日のバイトはいいですよ。上のカラオケホームでも使って、みなさんと思いっきり騒ぎなさい。」
「店長……」
理緒の肩をたたき、優しく微笑む店長。


「さあ、始めるとしますよ!  雛山さん、17歳の誕生パーティーを!」
『おーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!』





――仲間と一緒にエンド。














余談。

「っくしょう…どこにあるんです?  セガランクの写真?」
「…んーむ。孫め、ワシにすらわからぬように隠すとは……いや、あっぱれ!」
「…いや、感心するのはいいですから。」
beakerの留守中、
セガランクの写真を血眼になって探しているYOSSYと初代beakerの姿があったとさ。


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どおもお、YOSSYです。

今回の恋愛趣味レーション。どう転んでも理緒ちゃんは幸せになるんですよね。
なんせ今日が理緒ちゃんの誕生日とわかり、慌てて執筆した次第で、
みなさま、文体の荒さは大目に見てやってください。m(_)m

そして最後になりましたが、

「理緒ちゃん、お誕生日おめでとうございます!」