「ちゃりゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」 かきーんっ。 「ちっ、飛ばねーなー…」 「あのな、根本的にスイング間違ってないかお前?」 「そっか?」 「なんつーかなあ、ちょっと退いてみろ。」 「ほうほう、見せてもらおうじゃないのよ昌斗くん。」 ――ここは市内のバッティングセンター。 俺ことYOSSYFLAMEは、佐藤昌斗と二人でバッティングセンターに遊びに来たんだが、 かきーんっ! 「をを、さすが飛天御剣流の使い手。」 「この際関係ないと思うが…」 そんなこんなで、打てるには打てるのだが、なにぶんあたりが全然良くない俺と違って、 昌斗くんのバッティングセンスはなかなかのものなのである。と。 「まあお前の場合、転がすだけでセーフになったりもするけどな。」 「さすが昌斗、見る目があるねえ〜」 「あ、ただ、前進守備やられたら終わりか。」 いきなり身も蓋もないことをぬかしてくれる我が悪友であったりする。 「くそう、こうなったら特訓あるのみ! 付き合え昌斗!」 「しょうがないやつだな〜」 そう言いながらも付き合ってくれるってのは、なんとも有り難いものではある。 ――20分経過。 「ぜー、ぜー…、…ま、こんなもんだろ。」 バッティングマシン相手に、ようやく長打を打てるようになった俺。 「そうだな、若干隙があったりはするが、こんなものかもしれないな。」 隣で的確にヒット性の当たりを連発させる昌斗。 さすが、技術にかけては俺の知り会いの中でもトップクラスに属するだけのことはある。 「しゃ! これで今度のソフト大会はなんとかなるな!」 「ああ、あれお前出るのか?」 「ふっふっふ、やっぱ高校生で女の人気を集めるったら球技に強かったら有利だろうよ。」 悔しいがその通りだったりする。 体育なんかでは、球技の授業が圧倒的に多いのだから。 ちーとばかり足が速かろうと、剣道の技術があろうと、 球技の上手い奴に、どうしても周囲の目はいってしまう。 なんか作者の屈辱話になってしまったが、それはそれとして聞き流してもらいたい。 「でもお前、守っててフライに追いつくのはいいけど、捕球できないだろうよ。」 いきなり致命的なことを言ってくれる昌斗。 余計なお世話だよ。どーせ俺は追いつくには追いつくんだがフライの処理がへたくそだよ。 「ヨッシーの場合、オフェンスよりもディフェンスの方が大切ネ!」 「そりゃそうなんだけど、そう立て続けに言わんだって……って、レミィ!?」 「ハァイ! ヨッシー、マサト!」 いきなり後ろに立っていたのは、金髪アクティブガール、宮内レミィ。 センスのいいTシャツに短いGパンなぞを履いている彼女の手には、金属バットが握られている。 「レミィもやるのか?」 「イェス! ワタシもソフトボールに向け練習ネ!」 そういって颯爽と中に入って来るレミィ―― ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― COMMAND? 1、文字どおり(笑)手取り足取り教えてあげる。 2、レミィに晩飯を賭けて勝負を申し込む。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 1、文字どおり(笑)手取り足取り教えてあげる。 ぶぉん! ブォン! 凄まじい唸りを上げて空を切るレミィのバット。 「おかしいネ〜」 首をかしげるレミィ。 ぶぉん! ブォン! なおも空振りを続けるレミィ。 「(うーん、スイングはいいんだけどなあ…なんか根本的な部分で間違ってるような気がしないでもない。)」 彼女のスイングを見て、率直に思う昌斗。 「って、よっしーお前何を。」 昌斗が制止する暇もあればこそ、俺はレミィのネットに入っていった。 「この腰のひねりをもう少し…」 などと懇切丁寧に説明しながら、俺はレミィのバッティングフォームの調整を手伝った。 「ここの太股のバランスがイマイチ…」 レミィの欠点と見られる場所に直接タッチしながら優しく教える俺。 「そうそう、そうやって胸を張って…」 繊細に、そして着実に。自分の掌の感触によって正確に正しいバッティングフォームの伝授をしてゆく。 「そうそう、下半身のバランスがだいぶ取れてきたって感じだな。」 俺のマンツーマンの指導は続く。 なんかすっごく冷たい目で昌斗くんがこっちを見ているような気がするがこの際気にしない。 そう。彼にそんな目で見られる筋合いなど俺にはないのだから。 そりゃあ確かにレミィのナイスバデーに丁寧にタッチするのは、彼にしてみれば羨ましいことかもしれない。 しかしながら俺がレミィの腰や尻や胸に触るのは、あくまで指導の一環なんだから。 決して役得だけを追い求めてるわけではない。 これは彼女のバッティングの指導であり、ひいては彼女の明日のためなのだから。 信じろって(笑) しかし、俺の完璧な指導に、ただ一つだけ、しかしながら重大な欠点があった―― ――レミィが人の話などこれっぽっちも聞いてなかったことである。 「今度こそジャストミートネーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!」 ぐしゃああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ! レミィの渾身かつシャープなスイングが俺の後頭部に直撃する。 そのまま彼女のスイングは勢い衰えずボールを見事にジャストミート! ボールは向かいのネットに突き刺さる弾丸ライナー。 「ようやく調子が出てきたネ。ハアァァァーーーーーーーーーーーーーーーー!」 めきゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ! 体重の乗った見事なスイングが俺の顔面にめり込む。 俺の顔面ごとレミィは振り切ってフェンスまでボールを運んでゆく。俺と一緒に。 すこーんすこーんすこーん! フェンスまで飛ばされた俺に容赦のない弾丸ライナーが降りそそぐ。 「今後こそホームランネーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!」 レミィの渾身のスイングは、誰が見てもわかるホームラン性の当たりだった。 誰よりも俺自身が一番理解っていた。 何故って、ボール食らったまま宙に吹き飛ばされたのは俺なんだから。 DEADEND(こんなところで豹変するなーーーーーーーーーーーー) ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 2、レミィに晩飯を賭けて勝負を申し込む。 「オッケー! その勝負受けたネ!」 びしっと親指を突き立ててウィンクするレミィ。 うぅ、可愛い。 俺は確かにそう感じた。 そんなわけでいざ勝負! かきーんっ! かきーんっ! 練習していただけあって俺のバットからは次々と快音がこだまする。 「ふーん、なかなかやるじゃねーの。」 昌斗がいかにも意外そうな面でこっちを伺う。 余計なお世話だっての(笑) ま、慣れちまえばマシンの死んだ球なんてのは結構簡単に攻略できる。 傍らのレミィにも目をやると、彼女はなかなか鋭いスイングを披露するものの、どうも扇風機になっているようだ。 「(こりゃ勝ったかな。ま。飯ぐらい俺がおごるとするかな…)」 などと見くびったのが運の尽き。 カキィーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン! 「「な!?」」 そのあまりにも澄んだ快音に驚愕する俺と昌斗。 「キッモチイイーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!」 そうさわやかな笑顔を見せるレミィ。 彼女の打球は、ネットの最上部に突き刺さっていった。 「へえ〜、すっげえなあレミィ!」 「ああ、見事なバッティングだ!」 それこそ素直に賛辞の言葉を投げかける俺と昌斗。 「サンクス!」 そういってびしっとVサインをして笑いかけてくれるレミィ。 つくづく彼女の笑顔ってのはまぶしいっていうか… ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― ぺーぺーぽーぺーぺぽぽー。 日も落ちた大通り。 その賑わう通りに、俺とレミィは歩いてたりする。 「〜♪」 鼻歌など歌いながらご機嫌全開のレミィと、 敗北感に打ちひしがれながらも、とりあえずは楽しそうな複雑な俺。 佐藤昌斗は用事があるからといってとっとと帰りやがった。 また彼に一歩先を越されたというか自ら一歩遅れたような気もしないでもないが、この際細かいことは置いておく。 あれからレミィの炎のような連発ホームラン攻勢は続いた。 そりゃあ中には見事な空振りもあったが、 彼女の豪快なスイングは見る者全てを魅了せずにはいられない華があった。 「まあとりあえず飯にでもするか。約束どおり俺がおごるけど、どこがいい?」 「ンー…、ヨッシーの好きでいいヨ?」 「そっか、それなら…」 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― COMMAND? 1、何を血迷ったのか柏木家でご相伴(笑) 2、何を血迷ったのか宮内家でご相伴(笑) ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 1、何を血迷ったのか柏木家でご相伴(笑) 「…あのな。」 ジト目で(当たり前だ)異様な来客を迎える梓。 「いやあ、よく考えたら金持ってなくて、ご相伴にあがりました〜」 「ゴメンナサイ〜♪」 なんか遠慮という単語を頭の中に叩き込みたくなってくるような挨拶をかます俺達。 「どうしたの梓…あら。」 「千鶴さんこんばんはです。」 「グッドイーブニング、チヅル!」 マイペースというか懐が広いというか、のほほんとした様子で迎え入れてくれる千鶴。 「まあ上がって、ちょうどご飯の時間だから。」 「ううっ、申し訳ないです〜」 「ソーリー、アンド、サンクスチヅル!」 「ほらほらど〜したぁ〜 メシたかりにきたんだろ〜?」 「…おーまいがっとネ…」 「ほら食わんのかレミィ〜」 「…シクシク…」 鬼かアンタは。 まあ鬼なんだろうけど。俺はそういう感想をこぼした。 「ごめんね、梓ったら酒癖が悪くて…」 申し訳なさそうな顔で謝ってくる千鶴さん。 「いえいえ、飯までごちそうになってるんですから…」 そりゃそうだ。 今日は焼き魚と、ごく質素な夕食らしい。 しかしうまい。さすが卸したての魚は違う。 そんななかで久々のお魚を心行くまで満喫していた俺の横で、レミィが地獄の責め苦を受けていた。 そう―― ――レミィのお膳には山のように納豆が積まれていたのである。 「ほらほらぁ! くわんかい〜〜〜〜!」 「シクシク…、ヨッシー、怨むネ…」 「なんでそこで俺に振る!?」 納豆END(個人的には好きなんですけどね(笑)) ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 2、何を血迷ったのか宮内家でご相伴(笑) 「仕方ないネ、ウチで食べてユク?」 「え、いいのか?」 「たまにはヨッシーにご馳走するネ!」 そういって微笑ましい笑みをこちらに向けてくれるレミィ。 「そーだな。そいじゃご馳走になりますか。」 「ウン!」 ダダダダダダダダダダ! 「ウチの娘に近づく悪い虫駆除するネーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!」 「いきなり何すんだヒゲオヤジぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!」 バーーーーーーーーーーーン!! 「ちょい待てアンタ! マジ殺す気か!」 「大人しく散弾銃の餌食になるヨロシ!」 「何で中国風味かぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」 「ふう…またねダディ…」 「またねって、もしかして親父さんいっつもこんなんかいレミィーーーーーーーーーーっ!」 「マイダディは、巨○が勝った日にはいつもこうなるネ。」 「そんなことでいちいち性格豹変するなーーーーーーーーーーーーーーーーっ!」 正確には、”○人が逆転サヨナラ勝ちすると”豹変するらしい。 そんなことを知ったところでどうにかなるものでもないが。 「ハーハーハーハー、ついに年貢の納め時ネ…」 「くっくっくっく、それはこっちの台詞ですよおじさん。」 庭先で向かい合う二人、 片方は散弾銃とマシンガンを構え、もう片方はバットを構えているという、 まさに現代の親子関係を如実に表した構図である。 そんなこんなしているうちに、ついにレミィ父が最後の攻撃に出た! 「覚悟するネ!レッツ、ハンティーーーング!」 「させるかあ! くらえ愛と哀愁のファイナルガールすごいぜレミィちゃーーーーーーーーーーーーーーーーーんっ!!」 説明しよう! ”ファイナルガールすごいぜ真奈美ちゃん(デフォルト)”とは! 自分の対戦相手にその相手の萌えキャラのキワドイ写真を投げつけ見せつけることにより 煩悩効果によりその相手を戦闘不能に陥れる恐るべき地獄極楽技―― ――なんだけど。 「貴様許さんネーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!」 「だああああ、火に油を注いでしまったぁぁぁぁぁ!!」 親相手にはさすがにマズイのではないだろうか。 . . . . . ――戦いすんで日が暮れて(とっくに日は落ちてますけど)。 「なかなかやるじゃないかネ。」 「おじさんこそ、お年にふさわしからぬそのワイルドさ、感服いたしました。」 「まー一杯どうかね。年代もののウイスキーだがネ。」 「いやー、ありがたくいただきます。」 「ヨッシー、柿ピーもあるヨ。」 「サンキューレミィ! もお”ゆーあーぷりてぃーがーる”って奴だねっ!」 うーん、やっぱり可愛いかも。 「人の娘に気安く触るんじゃないネーーーーーーーーーーーーーーーー!!」 らぶらぶエンド(なのか?) ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― どおもお、YOSSYです。 てなわけで、「恋愛趣味レーションL」書いてみました。 とりあえずナンパ師YOSSYらしくまずはレミィと(終わる頃には殺されそうだな(笑)) この選択式Lってのは、みなさま新鮮じゃないでしょうか? 僕のモノを見ると、もう少しラブラブ風味を入れても可と思われますので、 どうぞらぶらぶとすちゃらかの両刀を目指してみてはどうでしょうか? 注:レミィ父は多分あんな性格じゃないと思います(笑) PS版THをやってないので勝手に着色させてもらいました。 本気にしないでくださいね(笑) では、失礼いたします。