Lメモ自伝 act1 第十一話「勇者さまの意外な素顔!?」 投稿者:YOSSYFLAME
「そんなわけで、ショッピングに行こう!」

『はあ?』
仮眠館大広間、
何者にも屈しない意志の強い瞳に燃えるような赤毛を三つ編みにした可愛いといった方が適切な美少女と、
何者をも射抜くような鋭い瞳に澄み切った長い青髪の美女、
全てを受け入れられる慈悲深い瞳に優美な髪の美少女。
だが、いきなりの提案にこの3人も少しばかり驚いたようで、
「なあ、ショッピングってなんだ?」
「新手の冒険のことかな?」
「ショッピングっていうのは・・・」
素朴な疑問をぶつける長髪美女・サラに超絶的なボケをかましてくれる三つ編み美少女・ティリア。
そんな二人に”ショッピングとは何ぞや”ということを懇切丁寧に説明するカールヘアー美少女・エリア。
「幻八先輩、彼女らをショッピングに連れていった事ないんですか?」
「うーむ、彼女らは来たばっかりだしなあ、まだそういうのは・・・」
あまりといえばあまりの見識の違いに面食らっているいいだしっぺの男、YOSSYFLAMEに
学園3年の仮眠館管理人である幻八がその旨を説明する。
元々ティリア達はあの体育祭、
他人の迷惑など省みずハイドラントを始めとするダーク13使徒の面々が
体育祭の晴れの舞台にガティムなどという化け物を召喚してくれて、
参加者全員いらぬ体力を消費した一幕があったのではあるが、
そのときに異界からガティム退治にやってきた勇者御一行さまこそが、ティリア達3人なのである。
その後彼女らは紆余曲折の末、幻八の管理している仮眠館の居候になり、現在に至る。

「じゃ、いい機会ですね。
ティリアさん達の私服も買うって目的も出来たし、さあ行きましょう!」






Lメモ自伝  act1  第十一話「勇者さまの意外な素顔!?」






「ははははははっ、ティリアお前変な格好〜!」
「う、うるさいわねっ!  どうせ私はエリアと違ってこんな格好似合いませんよっ!」
「ティリアさんったら・・・」
町の百貨店での婦人服コーナー。
ティリア達にとっては未知の領域、年頃の女の子達が着ているような
(この表現の貧困さが作者の女性関係の希薄さを物語っている(笑))
私服を勇者さま御一行は楽しそうに選んでいる。
さっきティリアが着ていたのはフレアミニスカートで、
似合わない事もないのではあるが、やはり活動的な魅力が溢れるティリアには少しばかり
あわないかもしれない。
やはり、そういう女の子らしい格好はエリアの方が映えるであろう。
幻八も一緒に来ていた東西もこの可愛さに息を呑んでいる。
その反応に少し頬を染め無言でうつむくエリア。
その初々しい反応もまた彼女のつつしまやかな魅力を引き立てるにはふさわしい。
対してこの中でも大人の魅力を醸し出しているサラ。
彼女はやはりというかなんというか、
開放的なタンクトップの上に黒のGジャンを羽織り、でもってタイトスカートで決めている。
「こんな服うっとうしくて着てられっかよ・・・」
などと言っていたサラではあるが、いざ着込んでみると、満更でもない様子。
でもって、
「幻八っ!  私に似合う服を探してっ!」
さっきのサラの一言がよほど癪に障ったのか、
それともただ単に普通の女の子としておしゃれをしてみたいという気持ちにとらわれたのか。
幻八に服を選ぶのを手伝ってもらうことにしたティリア。
彼女のムキになった顔もまた、愛敬あふれていて結構可愛いものである。
それでもって傍から面白そうに見ていたYOSSYは、この2人のやりとりを面白そうに眺めている。
”この世界の世間知らず”のティリア達を連れて行こうと画策したのは他ならぬコイツなのであるから。
そもそもYOSSYは昨日今日ティリア達と知り合ったわけではない。
この学園屈指の女好きが”異世界のスレていない女の子たち”に目をつけないわけが無く、
彼女らが幻八仮眠館に居候になったそのわずか三日後にナンパ決行!
はじめこそ全然脈はなかったもののさすがというかなんというか、
女の子騙すのだけは得意のYOSSY。
彼女らのこの世界の拠り所、学園3年生の幻八先輩とまず仲良くなっておき、それから彼女らにコンタクトをとる。
これぞ、四十八のナンパ技「将を射んとすればなんとやら」である!
まあそんなことはおいといて、
「・・・着替えたよ、幻八。」
と、出てきたティリアの格好は・・・!

「ま、こういう格好がやっぱり一番似合うかな。ティリアには。」

そう、何のことない普通のスタイルでティリアは姿をあらわした。
変わってるところといえば、Gジャンを羽織ってボーイッシュ度を増している事ぐらいか。
でも、
「・・・うん、やっぱりこれが一番だな!」
一人ほくほく顔の幻八。
「そ、そお?  あはははははっ!」
そんな幻八の態度にらしくもなく顔を赤らめ照れ隠しに努めてしまうティリア。



――仮眠館。

そんなこんなで帰ってきた6人。
帰りに買ってきたカレーの材料でカレーライスを作る男三人衆。
「なんで客の俺が飯なんぞ作らなきゃならんのですか。」
と、愚痴こぼすYOSSYではあるが、まあそれでも飯を炊いたりしていると

「おなかすいたー!」
「メシまだかー!」
「・・・すう・・・すう・・・」

ひききききっ。
いや、言うまい。
これからのお楽しみに比べたらこれくらいの労働。
と、己を死ぬ気で律しながらカレーなど作っているYOSSY。
YOSSYにしても”料理は必ず女の子が作らなくてはいけない”という観念はない。
が、あーゆー態度でこられると少しだけずきっと来る(笑・根本的には気にはしないが)
ちなみに幻八と東西はもうすでにこの状況に慣れっこらしく、鼻歌など交えながら
楽しくカレーなど作っている。
うーむ、現代の夫婦関係。
まあそんなわけでついにカレーなど出来てしまったりしちゃっています。

『いっただっきま〜す!』



そして数十分後。



「じゃ、お風呂入ってくるね〜♪」
そう言って浴場に向かって行く勇者さま3人組。

「・・・さてと。」
がしっ
「・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・」
席を立たんとするYOSSYと、その右腕をぐわしっと掴む幻八。
「・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・」
互いに睨み合う。
「・・・・・・・・・・・ふう。」
YOSSYが着座をする。そして、
「俺が悪かったです、幻八先輩。」
「うんうん、わかればいいんだ。」

「やっぱりこういうのは一人占めはいけないですよねっ!」

あっけらかんとほざくYOSSY。
「・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・」
あっけにとられている幻八と東西。そして、

『なんもわかってねーじゃねーかあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!』

げしごすどこべき。

「きゅう。」
「まったく、なんて奴だ。」
「まったくですよね。」
YOSSYに心ゆくまで鉄拳制裁をぶちかました二人、一息ついて席につく・・・が?
『な、何・・・?』
二人とも体がしびれて動かない。しかし不可解に過ぎる。
精霊使いだが生身の人間の東西ならともかく、
ARMSと同化している幻八に生半可な毒など効くはずはない。
「さてと、それじゃ俺一人で行ってこようかな〜♪」
さっそうと立ち去ろうとするYOSSYに、
「ま、待て・・・!」
と、幻八が引き止める。
「・・・貴様、俺のARMSの機能をも停止させるベノム(毒)とは一体・・・?
  一体どこの国家でどのような手段をもってこれ程のベノムを入手してきたんだ・・・!?」

「まさた茶。」

数十秒間の硬直。

「加えて千鶴さんお手製のお茶っ葉。」

でもって完全沈黙。

「さてと、魅惑の女子浴場にれっつごー・・・ご・・・?」
意気揚々と男の園に向かわんとするYOSSYであったが、ピタリと足が止まってしまった。
「し、しまった・・・!」
そのまま倒れ伏してしまうYOSSY。
なんのことはない。
自分で自分の用意した特製ベノムを飲んでしまっていたのだから。



――仮眠館・女子浴場

「ふう・・・気持ちいいなあ。」
「そうね、今日は楽しかったしね!」
「今日”も”の間違いじゃないんですか?  ティリアさんっ。」
「え、エリア・・・最近だんだんつっこみが激しくなってきたわね・・・」
湯気の立つそこそこ広い仮眠館女子浴場。
ここに文字どおり一糸まとわぬ美少女、美女達があっけらかんと楽しくお話をしていた。



――仮眠館・女子浴場へ向かう廊下。

ず〜るずるずる。
ず〜るずるずる。
「ええい、放せ放さんかい、余は行くのじゃ!」
「お殿様いけませぬ、そこは大奥でございますぞ!」

などという会話がなされていたはずもなく。

「えーい、放さんかい先輩っ!」
「やかましいっ!  仮眠館責任者として住人の貞操を守る義務が俺にはあるっ!」
「貞操って、そこまでする気はないすよ俺は!」
「ほう、絶対そう言いきれるな?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・(滝汗)」



――でもって女子浴場。

「そいえばまさかティリアがあんな顔するとは思わなかったぜ、実際。」
「あんな顔って何ですか?」
「いやな、幻八に服のこと誉められてただろ、似合ってるって。」
「さ、サラ・・・!」
「ふふっ、照れてますね、ティリアさん。」
「エリア、あんたまで・・・!」
サラとエリアに冷やかされて湯でほんのり染まった顔をさらに真っ赤に染めるティリア。
ああっ、見てみたいっ!



――女子浴場・更衣室。

「・・・ぜー、ぜー、やっと着いた・・・!」
「貴様ぁ・・・!」
茶の間から浴場まで数百メートル。
まさた茶(千鶴さん特製お茶っ葉)の猛威に指すら満足に動かせないこの状況で、
必死に阻止せんと追いすがる幻八をも引きずって延々百数十メートル、
ついに、ついに魅惑の世界の入口に足を踏み入れたのである!
そして、脱衣籠には、ティリア達が着ていた上着や下着がっ!?
(残念ながら下着は上着に隠れてて見えなかったが。
それにYOSSYは下着よりか中身に興味があるのでこの際無視(笑))

「さてと、じゃ、魅惑の楽園にれっつごーごー!」
「させんっ!  絶対にさせんぞっ!」
なおも続く満身創痍(?)での二人の攻防。
その時・・・!

『ティリア、お前幻八のコトはどう思ってるんだ?』

「(何?)」
曇りガラス戸の奥から聞こえてくるサラの声。
どうやら彼女たちの焦点はティリアと幻八についての話題になったらしい。
『どおって・・・友達だけど。』
そう答えるティリアの声にもいつもの凛々しさはない。
『ほお、ホントにそう思っているのか〜?』
悪戯っぽくサラが問う。彼女、意外にそのような話が好きなようである。
さて、そうなるとおだやかならないのが幻八、彼である。
ガラス戸一枚挟んだ女湯の向こうで、少し、ほんの少し気になっている女の子が
一糸まとわぬ艶姿でガラス戸の奥にいて、しかも自分の事について好意的な話をしている。
これで完全無欠に平静を保てる男がいるとしたら、
そいつは釈迦のように悟りを開いたか、どこか精神がぶっ壊れているかのいずれかに違いない。
『ほ、ホントだってばっ!』
戸の向こうから聞こえるティリアの照れ隠しの声。
どきどきどきどき。
幻八の魂の鼓動はますますヒートアップしてゆく。

『それに、私、まだ・・・・・・・・だし。』

「「ん?」」
完全に照れモードに入ってしまったティリア。
いつもの彼女とは思えないほどにか細い声で話をしてしまっている。
『あ〜?  聞こえない!  もう一度大きな声で!』
サラの容赦ない追い討ち。
こちら側の幻八も、すでにYOSSY阻止の事など、とうに忘れてしまっている。
ただ、ティリアの小声の呟きを知りたい。
今、彼を突き動かすのはそれだけであった。
『だから!  私はっ!!』
ついに羞恥心の限界に達してしまったか、絶叫気味に大声を張り上げるティリア。
「!!!」
がたがたっ!
まったく意図せず音を立ててガラス戸に張り付いてしまった幻八!
「(ば、馬鹿っ!)」
焦るYOSSY。その時!



『誰っっっっっ!!!?』



しゃきーん!  すぱっ!

「(なっ!  ・・・すげえ・・・!)」
驚嘆するYOSSY。
おそらくはティリアの閃光の刃という瞬断技であろう。
その”おそらくは”という言葉には確固たる理由があった。
YOSSYは、本来の目的である”異世界の勇者さまたちの裸体鑑賞”どころか、
その影すら拝む事が出来ずに、ガラス戸をぶち破ってあらわれたサラの鞭の先端を顔面にもろにくらい、
浴場から叩き出されてしまったのであるから。
さすがに若いながらいくつもの修羅場を潜り抜けてきた彼女たちである。
入浴時にもしっかり武器を携帯しているところがさすが勇者さま。
そして、肝心の幻八はというと。



「・・・いい度胸してるわね、幻八。」
「ああ、全くな。」
「・・・覚悟はいいですか、幻八さん。」



ガラス戸が割れてしまい、意図せず女子浴場に踊り入ってしまった幻八。
そこには嬉しい事に3人とも下を小さいタオルで隠し、胸を片手で押さえていた。
可愛い綺麗な女性三人組のあられのない姿は少々過激に過ぎたようで。
しかしながらもう一本の腕には、
ティリアは光り輝くフィルスソード。
サラは黒光りして手入れ行き届いている鞭。
エリアはいつでも発動おっけーの魔術の構え。
要するにまあ、物騒危険極まりない状況であったわけで、天国と地獄の板挟み状態と(笑)。
「ち、ちょっと待て!  俺はお前らを守ろうと・・・!」
「ほう?  誰から?」
「だから、よっしーだよ、よっしー!」
「・・・よっしーさんがどこにいるというんですか?」
「そこにいるだろ!・・・って、・・・逃げやがったなあの野郎!」
正確には逃げたのではなく叩き出されたのだ。
「・・・もういいわ、覚悟っ!」



――○月△日、仮眠館業務日誌。

損壊物件:女子浴場の約35%。


怪我人
        東西        :痺れ症状が2時間ほど続いたもののその後回復。問題なし。
YOSSYFLAME:むち打ちの症状。
                      備考として△日より3日後、何者かにより襲撃をうけ生死不明。
                      現場には「女の敵」と書かれた一枚の紙が落ちていたとの事。
        幻八        :ARMS損壊率99.9975%
                      尚、鼻孔部分から大量の出血あり(笑)。



その他備考          :仮眠館の住人が管理人によって覗きを受けた一件は誤解である事が翌日判明。
                      以降、仮眠館住人の絆はますます強くなっていたとかいないとか。




                                                         仮眠館管理人  幻八






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どおもお、YOSSYです。

またまたこーゆーのを書きますかね、僕(^^;
今回は幻八さんとティリアのちょっとだけらぶらぶ(???)
を書かせていただきました。
でもま、この程度(っていったら幻八さんに失礼ですが)の恋愛度なら問題なく割り込めると思います。
ティリア萌えのみなさま、もしいらっしゃったら頑張ってくださいね。
可愛くて芯が強くて、魅力的な女性ですものね、ティリア。
もちろん、サラもエリアも負けず劣らず魅力的ですよね。
ああ、フィルスノーンWin版出ないかなあ〜

もちろん幻八さんも頑張ってください。(^^)
それと、本当にすみません。こんな扱いで。m(_)m、

次の自伝act1は、ティリア剣道部コーチ就任のお話を書きたいと思いますっ。

では、失礼します。YOSSYでした。