初音がお弁当を食べにリーフ学園の中庭に言ったときである。中庭で、おかっぱ頭の見知らぬ女生徒がいた。 初音は、そのおかっぱ頭にどことなく好感を覚え(楓お姉ちゃんみたい)、その女生徒に声を掛けた。 「あの、こんにちは」 するとおかっぱの女生徒は驚いた感じで、 「ああっ!あなたは!」 と、叫んだ。初音もまた驚いて聞き返す。 「え?え?え?どうかしたの?」 初音がそう応えたのを聴いたのか聴かなかったのかは解らないが、取り敢えず女生徒は言った。 「うわー!あなた初音ちゃんでしょ?本物だ本物だぁーっ」 すんごい嬉しそう。初音は何だか照れて、 「ね、ねえ。えっと、なに?」 と、どもりがちに訊ねた。すると女生徒は嬉しそうなひょじょうのまま言った。 「あ!兄ちゃんがいつもお世話になってます。ええと、ゆきの妹のM・Kです。あはは、兄ちゃんいつも家で言っていた んですよぉー初音ちゃん初音ちゃん初音ちゃん…って。まあ、そんなに連続ではいっていないけど」 そしてそのまま笑い転げる。初音は何だか取り残されたような感じを味わっていた。 ──髪型では、人は分からないんだぁ…。 確かに、楓とは似てもにつかない性格ではある。…というか、このM・Kと言う奴の性格とは千鶴と梓を混ぜ合わせ たような感じである。暴力的で分裂気味…そんな感じ。その上よく壊れる(笑い転げる)。 「ねえねえ、M・Kちゃん」 初音は、頃合いを見計らっていった。M・Kは、軽くハイハイ…と、応える。 「M・Kちゃんって、ゆきちゃんの妹なんでしょ?だったら何で今この学校にいるの?」 すると、さっきまで軽く笑っていたM・Kの顔が引きつった。そして良いわけがましく言う、 「あはは…じゃあ、双子って事にしておいて」 が、嘘丸出しである。だが初音も敢えてそれ以上は突っ込まずに、お弁当を食べることにした。 一緒に食事をすることになった二人は、何だか完璧に仲がよくなっていた。 そのうちに、初音が口を開けた。 「そういえば──」 M・Kは、おにぎりを口に含んだまま初音の顔を見る。少々失礼だ。だが、初音はかまわずに続けた。 「──M・Kちゃん、何かすることがあって学校に来たんじゃないの?」 初音にそう言われたM・Kは大急ぎで口の中のものを飲み込むと、応えた。 「(ごっくん)ふぅ…。うんまあ、いい男探しかな」 そう言って、例の如く笑い転げる。 「へ?」 初音が驚いて聞き返すと、 「冗談冗談。──というか、あながち冗談でもないのだけどね」 と、飄々と応える。初音は、何だか面食らってしまっていた。M・Kはまた笑って、 「いやね、この学園には面白い人がたくさん居るって訊いたから。そう言う人に会いに来たのそれに──」 と、言った。しかし、また人を待たせるように言葉を区切る。初音は先を促した。 すると。M・Kはちょっとだけ赤くなって言った。 「──その…あなたの従兄でこの学校の先生の…耕一先生っているじゃない。あの人カッコイイな…って」 それを聴いた初音の背筋に、寒いものが走った。 ──不味いよ…。M・Kちゃんは知らないんだ…千鶴お姉ちゃんのことを…。 だが、それを言う勇気は初音にはなかった。いったい何処に盗聴器が仕掛けてあるか解らないからだ。初音は、ぎ こちなく微笑んだままその場にしばらく固まっていた。 「ゆきちゃんゆきちゃん」 ある日、僕の許に初音ちゃんがやってきた。そして、こんな事を言った。 「M・Kちゃんを止めて…」 … おしまい … ------------------------------------------------------------------------------------------ 何となく思いついていたので書いてみました。でも、こんなの本人に読まれたら僕殺されるな。 まあ良いか(よくない)。 でわでわ・・・(今度は、もっとリーフキャラを出しましょうね)