その日、私はいつものようにリビングに出てきました。勿論、朝御飯を食べるためです。リビングに通じるドアを開け て──。……すると、いつもとは違う光景が目に入りました。 「に、兄ちゃん…?何やっているの?っていうか、その格好は…?」 なんと!兄ちゃんが腕にぐるぐると包帯を巻いているのです!そしてその腕を組んで、パンと睨めっこしています…。 兄ちゃんは私の声を聞くと、こう言いました。 「いや…何だか……喰われた」 それを聞いた私は、半信半疑で聞き返しました。 「喰われたぁ?誰に?」 「……ジン先輩と一緒にいた…遊輝って娘。握手しようと思って手え出したら…喰われた(『ジン・ジャザム復活!』参 照)」 それを聞いた私は、何だか呆れて笑いたくなりました。──って言うか、もう笑っています。 「あははははは!!兄ちゃんらしいなぁ!そりゃ自分の所為でしょうが!」 すると、兄ちゃんは不機嫌そうに言い返してきました。 「なんでだよ…。別に下心があったわけじゃないって。それに、喰った理由が飢えているからだぞ?」 「ふーん、まあいいわ。治るのにどのくらいかかるの?」 「…予想なんだけど……。今月一杯はかかりそうだなあ。今の状態で、漸く腕の輪郭が出来てきたところだから」 お兄ちゃんは、顔を顰めながらそう言うと、ぶんぶんと腕を振りました。そしてそれから私の方を向き、 「つー訳で、しばらく休むわ」 と、言いました。私はそれを聞いて頷くと、取り敢えずお兄ちゃんが睨めっこしているパンを奪い取り、それを口に挟 みながら学校へ出かけました。 「ぼ、僕の敵を討つとかは考えないのか…?」 最後に兄ちゃんがそんなことを言ったような気がしなくもなかったですが、生憎、私はそんなことはこれっぽっちも考え ていません。それよりも、どうやってライバル達を叩きつぶすかが問題でした。 ──と、私は学校に来て驚きました。なんと、まだ昇降口(生徒出入り口でも可)のドアが開いていないのです。慌 てて時計を見ると…。 …私は思わず笑い出しました。 「なによー。まだ六時半じゃないのー」 最近朝の感覚が麻痺しているからでしょうか?私は一時間以上も時間を間違えてしまったのです。私は笑いながら 自分のあほさ加減を乗ろうと、時間つぶし、及び作戦を練るために図書館に行くことにしました。 でも、何でか図書館のドアも閉まっていました。──いえ、正確に言うとなんでかも何もなく、理由ははっきりとして いるのですが、それに辿り着くまでの理由が見つからないのです。──ドアは、何だかよく解らない植物に覆われてい ました(「図書館は熱く萌えているか」参照」)。 私は少し困りましたが、取り敢えずノックをすることにしました。 コンコン☆と軽く。なのに──。 ズギャオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオンンンンン!!!!!!!!!!! ──何故かドアがはずれて倒れてしまいました。私は、さっき以上に困りましたが、ドアも開いたことだし──と中に はいることにしました。後始末のことは…まあ、奴隷達にでも任せましょう。 『OLHの業務メモより、一部抜粋 午前六時四十分頃:図書館の方角より轟音発生。 同五十分頃:倒れた扉と、それを必死になって持ち上げようとしている矢島と橋本を発見。 追求するも、犯人が誰であるかは言わず、仕方なく二人を犯人として連行。』 中にはいると、まさたさんはもうカウンターみたいなところに座っていました。私は手を挙げて言いました。 「おはようございます。まさたさん」 すると、まさたさんは私の声を聞いて驚き、それからにっこりと笑って答えました。 「あ…ああ。おはようございます。M・Kさん」 なんで驚いたんでしょうか…?ひょっとして、さっきの轟音と此処にいる私を繋げたのでしょうか…?でも、その答え はすぐに出ました。 「良く入れましたね。確か、僕栽培している植物が繁っていたはずですけど…ドアにも、此処に来るまでの廊下にも」 私はそれを聞き、納得して手を叩きました。 「ああ、あの可愛いお花やらツルやらですか…。あんまり可愛かったものですから何となくウィンクしてあげたら…なん だか枯れちゃいました。あは☆照れちゃったのかなぁ」 そして、笑いながらそう言います。私のその発言を聞いたまさたさんは苦笑しながら首を傾げ、それから黙ってお茶 を出してくれました。そのお茶は、なんの裏もなくてとっても美味しかったです。でも、何だかスリルがないな☆ どうやら学校のドアが開いたそうなので、私はまさたさんにお礼を言って図書館を出ました。──あ、ドアが直ってな い。あの二人…さぼったわねぇ…。 私はその足で職員室に向かいます。そして、 「失礼します…。あの、耕一先生いらっしゃいますかぁ………?」 と、ドアを開けながら言いました。あはは、なんだか照れちゃうなあ。でも、帰ってきた声は耕一さんのではありませ んでした。 「ああ、耕一先生なら…その、保健室にいるぞ…」 言ったのは長瀬先生です。ですが、私はそれを最後まで聞いている余裕はありませんでした。──保健室!ひょっ として、何だか大変な病気か何かになってしまったのではないでしょうか!私は保健室に向かって駆け出しました。 保健室に着きました。何だか暗幕がかかっています…私は、慌ててドアを蹴破りました。 ずがぉぉぉぉん! きゃん☆何だか盛大。──と、そんな暇はありません。私は気を取り直して中に……。 「だ!だれよあなた!」 ………そこには、何だかセーラー服を着ているおばさんと、そのおばさんに倒し付されている耕一さんがいました。… …因みに、ベッドの上です。おばさんが何事かを喚いています。 私は、その光景を見て一瞬凍り付き、そしてすぐにこう言いました。 「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!年増な痴漢が耕一さんを襲ってるぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!!」 そしてすぐに臨戦態勢を取ります。今のはあくまで相手を怯ませるためと、保健に過ぎません。相手も一瞬怯んだ後 に激昂して襲いかかってきます。 ですが、私はそれを避けて耕一さんに駆け寄りました。後ろで棚の崩れる音が聞こえましたが、気にしないことにし ましょう。──耕一さんは気絶していました。ああもう!あの痴漢の所為だ! 私はそう思うと、とうとう本気を出しました。もう耕一さんの目を気にすることもないからです。 「おばさん!貴女…叩きつぶしてやるわ!」 すると、おばさんは更に激昂しました。そしてものすごいスピードで突っ込んできます。 私はそれを避けるよりも、まず自分でも突っ込んでいきました。そして…。 「M・Kパーーーーーーーンチ!!!!!」 ネーミングセンスのなさは、兄ちゃんを呪うことにしましょう。兄ちゃんが名付けたのですから、この技。 ばしゅん!!!! くりーーーーーんひっとぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!! 私の拳をまともにくらったおばさんは、後方に思いっきり飛んでいきました。そして壁に当たって…伸びてしまいまし た。──私の耕一さんを襲おうとするからです。 『M・Kの日記一部抜粋』 その後。耕一さんは病院に連れていかれましたが、私は止められていくことが出来ませんでした。すなわち、とうとう 会えなかったのです。それから、あのおばさんが千鶴さんであることを知りました。ですが、別に何も感じません。初音 ちゃんや楓さん達とは全然違うキャラクターのようですから。 …それは良いのですが、それからちょっと不安なことがありました──。 私が、気を落としながら廊下を歩いているときでした。後ろから、綺麗な女の人に声をかけられました。 「あの、貴女がさっき千鶴さんを叩いた人?」 私は振り向きながら頷きました。…そのとき、既に何か嫌な予感がしていました。 「そう…。あの千鶴さんをいとも容易く…たとえ不意を付かれたとしても、ね。貴女、なかなか見込みがあるわよ?どう ?私と一緒に来ない?」 私はかなりの悪寒を感じ、手を振りながら後ろに歩き出しました。でも、この人はにこにこと笑いながら着いてきます。 「神威のSS…って言うのだけど…着いてきます?」 「いや!あの!わ、私にはそう言うのはちょっと…」 私はそうだけ言うと、思いっきり走り出しました。 何だか、凄く怖かったんです…。 「と、言う訳なんだけど…」 私は、そのことを初音さんに話してみました。すると初音さんは驚いて、 「そ!それまずいよ!その人は確か…EDGEさん…」 それは、私の協力者の…西山さんの妹さん…。 … 続く…と言えば続く … (原案 原作 文 ゆき、M・K) ------------------------------------------------------------------------------------------ ゆき:まずは懺悔しましょう…。 M:EDGEさん、西山さん、OLHさん、まさたさん、千鶴ファンの皆さん、御免なさい! ゆき:ああ、なんでこんなもの書いている?っていうか、禁止中だぞ。お父様に気付かれたら、その日には…。 M:いいじゃないの。取り敢えず、続き物です。きっと。今回は時間の関係上不完全燃焼ですけど、これからはちゃん と千鶴さんとの戦いを頑張っていきます。 ゆき:僕は腕が切れているので、今月中はさよならです。では。