我が横顔を照らせ煌めき(前編) 投稿者:ゆき
──我が横顔を照らせ煌めき──
                 〜「お祭り」でいこう!!〜


「『祭り』……か」
 ぼーっとした声で、藤田浩之は呟いた。
 くそ熱い授業中。その声は嫌と言うほど響きわたる。何でかって言うと誰もがへたばっているのだ。そし
て、そんな状況で教師に声が届かないはずがない。
「煩いですぞ、浩之殿っ」
 何故か教師をやっているのはセバスだったのだが、ともかく彼はその一声とともに無数のチョークを浩之
に投げつけてくる。──形容しがたい音。誰も見ていないのが幸いしたが、浩之の顔は二度と見れないほどに歪んでいる。
「な、何であいつが…教師をやっている…?」
 一応引きつった声を出したのは矢島なのだが、しかしそれは後ろ手へ張っていたT−star−reve
rseにしか届かなかった。隣にいるはずの女の子は、何だかもう溶けている。因みに彼女が好恵であるこ
とはあまり知られていない。
「教師の…ええと、柳川先生が科学部の部室から出てこないかららしいですよ」
──おそらくは、中でまた新しい物でも付くっているんでしょう。このままキテレ○で定着してしまうかも
知れません。
 T−star−reverseはそう言いながら再び温い机に突っ伏し、そして心の中でそんなことを続けた。
 相変わらず皆ぼへーっと、あるいは溶けている。
 まあ、一部例外も無くはないが…。
「…………あの、今日はゆかたを着ていこうと思うんです…」
 何故かいつもとあまり変わらない表情をしている楓が、隣に座っている西山にぽつりとそう言った。する
と西山は──今までは机で溶けかけていたのだが──いきなりばっと上半身をあげ楓の方を向くと、
「ほっ──本当かっ!?」
 多少楓が驚いてしまうほどの勢いでそう訊ねた(詰め寄った?)。
「──あ、いや、すまん……。な、何だか嬉しくてな…」
 ──が、楓が怯えてしまうほどの勢いに自分でも気がついたのか、多少ひき──頬を赤くしながら──、そ
れから頭を掻きながら言う。
 それを聞き、そしてその表情を見た楓は少し落ち着いてそっと笑むと、こく…。と頷いた。
 暑すぎる夏の空気と陽光よりも更に熱い雰囲気と歓喜の叫びが、教室に充満した。

 三年生の教室では。
 やっぱりみんな溶けていた。
「良く平気ね……」
 観月マナの発言は芹香に向けられたものなのだが……。しかし実際のところ──表情には出していないが
──芹香だってそれなりにこたえていたりする。だって、頬を汗が伝っているもの。
「…………………………………」
 どうにかこたえようと言う努力はしたようだが──しかし暑さで喉を使う気になれなかったようだ。はふ
っ…。と溜息をつき、ぎりぎり精神を保ちながら授業に集中しようと努力する。
「このままだと祭りもなくなりかねんな……」
 うちわでぱたぱたと扇ぎながら辺りを見回していた岩下が呟くと、
「「そっ、それは困るっ!!」」
 OLHと榊が同時に叫んだりした。
 黒板の前では、カレルレンが頭に冷えピタを貼って寝込んでいた。そのために、今ではUMAが授業を進
めていたりする。勿論、体中にカレルレンと同じ冷えピタが貼ってあるのは当然だ。
「──どうして健やか君がいないんでしょう……?」
 久々野の独り言は、よからぬ不安とともに暑さに溶ける。
 ジンは、必死こいて冷凍ビームを放っていた。
 ともかく、今晩はお祭りだ。
「誰が準備しているんだろうな…」
 隣でじゅぶじゅぶ言っている橋本を完全に無視し、梓が呟いていた。

 次世代(現在?)のアイドル達の通う、初等部では。
 何故か涼しい空気が漂っていたりする。
「がんばれーー、ルカお兄ちゃんーーー」
 ルカが命を懸けてクーラー役をやっているのだ。
「は、はい〜〜」
 ルカは情け無い声をあげると、死の恐怖に怯えながら氷の魔法を教室中に放つ。……でも、確か彼等の『
魔法』って、魔法力(MP)が無くなると、次に体力(HP)を使って、更にその後は生命力(LP)を使
うんじゃなかったっけ?
「ね、みんなもお兄ちゃんにお礼を言わなきゃダメだよ?」
 そう言ったのはメグなのだが…どうでも良いんだけど何でこの娘が教師をやっているんだ?
『はーーい!!』
 メグの声に反応し、一斉に声をあげる生徒達。
『ありがとうございます、ルカお兄ちゃんっ!!!!』
「は、はは……」
 あ、なんか顔が青ざめてる。
「ね、ね。ルカにーちゃん大丈夫かな?」
 ティーくんはぎこちなく笑みながら、ぼそっと誰にともなく言った。
「何か、顔色が悪いんですけど……」
 答えたわけではないだろうけど、マールの独り言。
「だ、大丈夫かな……?」
 きたみち靜も続いて言うが、しかしあまりの小声に誰にも届かない。
「頑張れやこらぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!」
「ああもう!涼しいんだから黙って!」
 メタオがルカに怒鳴り、そのメタオにルーティが叫ぶ。
 ともかく、今晩はお祭りなのだ。
「ルカさん、お祭りに行けるのかな…」
 笛音がいやにリアリティのあることを呟いたのと、ルカの意識が少しだけ吹っ飛んだのは同時だった。

「ココで出されると言うことは、モウ二度と出てこれないと言う烙印を押されたのと同じだと思うのはワタ
シだけデスカネーー?」
 一年生の教室では、相変わらず滅茶苦茶に元気なTaSがそんなことを言っていた。そして自分で言って
『HAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHA!!!!!!!!!!』と笑い転げる。
「こ、怖いこと言わないでください…」
 下敷きで質量を感じてしまうほど分厚い空気をかき混ぜながら、琴音が呟く。顔には汗の他に冷や汗とぎ
こちない笑みが。
「大丈夫よ。…少なくとも一部の人は」
 皮肉気な笑みを浮かべながらそう言ったのはM・Kだ。笑みは勿論、兄のゆきに向けられている。いや、
L内じゃなくて筆者の方の…………。
「それだったら、私は安心ね」
 それを聞いて、EDGEはホッと胸を撫で下ろしながら言った。勿論視線は筆者を……睨んでる?
「どんな役になるかは疑問だけどね…」
 未練たらたらの表情で空も睨んでる。
「僕が何をしたって言うんだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」
「ゆきちゃんゆきちゃん、今は授業中だよ」
 叫ぶゆきに制服の袖引っ張って突っ込む初音。
「…もう、授業は良いよ」
 教卓に突っ伏し虚ろな目でそう言う耕一。それで良いのか?
「ところでお師様は何処にいるんでしょう?」
「ま、いつものことでしょう」
 不思議そうに言う智波と、諦めたように呟く風見。
「ともかく、今晩はお祭りですぅ〜〜〜〜」
 マルチも、TaSほどではないにしろ元気だった。

 で、そのいないRuneと健やかと誰も気にかけてくれなかった香奈子と美和子と由紀は。
「あっはっはっはっはっは!!!!やっぱり俺の考えに間違いはなかったんだっ!」
 メタオ量産型達と一緒に、学校近くの空き地でせっせとお祭りの準備をしていた。
「んだよこらぁぁぁぁぁぁ!!!!俺等雑用かよオイぃぃぃぃっ!!!???」
 Runeは歓喜に思わず叫んでいた。メタオ量産型は総勢五十体。今まで五人でやっていたことをその十
倍以上の人数で行っているのだ。いつもの苦しさが嘘のようだった。で、その上彼等は絶対服従に近いし、
文句は言っても苦しくはないからどんどんはかどる。Runeはご機嫌だ。
「何だか、せこいわね…」
 呆れ顔でRuneを見ていた香奈子の呟きは、しかしトリップ状態のRuneには届かない。
「るーくんるーくん」
 くいくいとRuneを引っ張りながら、健やか。
「おお?なんだい健ちゃん!!矢張りこの英雄様の俺闘犬Rune様は何事も成功させることが出来るのだ
よと壊れた日本語だぜべいべえ!!!!!!(Rune)」
「イヤ…やめとくよ…(健やか)」
「ああ!!!??てめえら巫山戯てねえで俺等を手伝いやがれぇぇぇぇ!!!!!!(メタオ一同)」
「まとめ役がいないとダメですね(由紀)」
「もう、リーダーは何処に行ってるの?(美和子)」
「いいけど、またせこい商売やるんじゃないでしょうね…?(香奈子)」
 しかし、リーダーのタケダテルオとメタオ改がいないために、統率は滅茶苦茶だった。

 じゃあ、その2人は何処にいる?
 なんでだか知らないが、ともかくお祭りの準備から逃げ出していた。
「こき使われてたまるか……」
 あ、そうですか。
 ともかく、である。
 彼等2人は、何となく学校を探索していた。
 で、ちょうど校庭まで来たときである。目前に、三人と一個の影が見えてきた。
「アレは、何だろうな」
 目を顰め、オリジナルは呟いた。
「さあなあ…────」
 それに答えるように言うメタオ改だが……その中の一つがはっきりと視野の中に入ったときだった。いき
なり、それに向かい走りだすっ!
ずだだだだだぁぁぁぁぁぁ!!!──がしぃぃ!!
「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!」
 そしてひっつかむと、何故か思いっきり空に飛び上がる。
「ヤメテクダサイ、ヤメテクダサイ」
 掴まれている──抱きしめられているのは、Dボックスだった。
「────な!!」
 いきなりのことに驚いたDセリオは、慌ててサイファーを構えようとする──が、その手をオリジナルに
掴まれた。
「まあ、待て。あいつは別に危害を加えようとしているんじゃないらしい」
「──?どういうことですか?」
 オリジナルの手をそう言いながらふりほどき、
「──あれの何処が──」
 と、続けようとするが──すぐにオリジナルが遮る。
「『愛』だろう」
────────────────────────────────────────────────。
 静止する時間。
「──アイ?」
 Dガーネットがそう不思議そうに言うと、オリジナルはばっとその手を取り、
「そう、おそらくそれだっ。何故ならば、あいつあの箱を破壊しようとはしていないではないか!!」
 と、豪語する。どうやら、こいつもDガーネットに気があるような。
「で、お前名前は何という?」
 ほら。
「──あの」
 で、そこにDマルチが出てくる。って言うか最初からいたんだけど。
「──あの方はお止めにならないんですか?」
「ほっておくのが一番だ」
 即答。
「──そう言う問題ではないでしょう?」
 少し苛立った感じでオリジナルの肩を掴むDセリオだが、
「俺も一応機械だから、オイルだろうがガソリンだろうがつきあえるぞ。と言うかその前に名前を教えろ」
 完全に無視。こいついったい…(汗)。
「──Dガーネットデス」
 訳が分からないながらも、取り敢えず最後に言われた名前を答えるDガーネット。
「そうか。ともかくオイルでも何でもいいから飲みにでも行こう」
「──ハイ」
 Dガーネットも、承諾するんじゃない(激汗)。
「──へーのきさんに報告すべきでは」
「──そうですね…」
 あとには呆然とした(流石のDシリーズも)2人が残される。
 しかし、DガーネットとDボックスはメタオ改、タケダテルオのことを覚えていられるのか?

「くふ、くふふふふ、くふふふふふふふふふふはははははははははははは!!!!!」
 電気をわざわざ消して暗くしてある部屋の中で、男が一人嗤っていた。
「──オイ」
 そしてもう一人、これは寝台らしき物体に縛り付けられているものの呟き。
 しかし、それを完全に無視して男は嗤い続ける。
「ふははははははははは!!!ついに、ついに完成したぞっっ!!!!この日のために、この日のためだけ
にこの一週間授業をセバスに任せ続けてきたのだっ!!その上部活までもっ!部活までもだっ!!流石に一
週間ゆきや空の悲鳴を聞いていないので禁断症状に陥りそうだが、しかしそれも今日で終わりだっ!!!さ
あさあお待ちかねぇっ!!!今週の大発明(死語?)はぁっっっ!!!────」
「オイ、柳川──」
 何だか妙に説明臭い口調で口走っている柳川には、贄(ニエ)の声など全くと言っていいほど届かない。
「────お祭りには必ずと言っていいほど付き物という的当てゲーム協力者ダリエリバージョンだぁぁぁ
ぁぁぁ!!!!!有り難うダリエリッッ!!!」
 その言葉通り、縛り付けられている贄(ニエ)──ダリエリの腹と心臓の辺りには、的のようなもの(し
かも赤白線の)が描かれている。
 因みに、筆者は最近それのようなものを見たことがない。いやいや、お祭りに限らずデパートとかの屋上
にある遊び場でも。
「────柳川、パワーアップハ、ドウナッタノダ?」
 何も気がつかない純で天然なダリエリ。
「ふはははははははははははは!!!!大儲け間違いなしだっ!!!くはははははははは!!!!」
 科学部から柳川の高笑いがこだまする。
 お祭りでは何事も許されるのか?

こんこん
 校長室のドアをノックする音──それも至極上品な──が、彼女──柏木千鶴の耳に届いた。
「どうぞ」
「──失礼します」
 入ってきたのは、緒方理奈教師だった。腕には、今夜だされる屋台などについての書類が入った封筒を
抱いている。彼女は千鶴に近づくと、にっこりと笑ってそれを手渡した。
「何だか、とても楽しみですね」
 そして、心底楽しそうにそう言う。どうやら出されるものはよっぽどのものらしい。……それともお祭り
の雰囲気自体が楽しみで仕方がないのか。…どちらにしても、彼女は嬉しそうだった。
「Rune君が随分と頑張っているようですから」
 千鶴も封筒から中身を取り出しながら、笑顔と言葉を返す。
「鶴来屋──校長達も、何かだされるみたいですね」
 千鶴が半分くらいまで目を通したとき、理奈が思いついたように言った。すると千鶴とくすくすと笑って、
「ええまあ、一応お祭りで晩御飯をとる方もいるでしょうし……。だから、取り敢えず私たちが先立って
そう言うのを作ろうと思って。とは言っても、私はお手伝いさえさせてもらえないんですけどね」
 何だかとても幸せそうに目を細めながら話す。
「そうなんですか。それじゃ、私も食べさせてもらいます。あ、では私はこれで」
 理奈は楽しそうに笑んだままそう言うと、静かに身を翻しドアに向かう。──と、ドアを半分ほど開いた
ところで立ち止まると急に振り向いた。妙に心配げな顔をしている。
「──?どうかされたんですか」
「いえ…その…。何だか、科学部の方から妙な笑い声が…」
「──────────────────────────き、気にしない方が賢明ですよ」
「そ、そうですよねっ……。で、では失礼しました………!」
 ………理奈が出ていったあと、千鶴が頭を抱えて溜息をついたのは言うまでもない。

 昼休みは──いつもは戦争だ。だが、今日は多少落ち着きを見せている。
「みんな、お祭りの準備の所為で食堂に現れませんねぇ」
 カウンターに肘をつきながら、beakerがぼそっとぼやいた。
「ん?マスターは何もしないの?」
 横で生写真の整理をしていた沙留斗が、その声を聞きbeakerに言った。もっとも、必死こいて働い
ているので顔までは向けないが。
「ええ、まあ。一応屋台の方はRuneさんが作ってくれているし……。商品の方も、好恵さんと雛山さん
に頼みましたから…………。要するに、やること無いんですよ」
「…それじゃあ……。熱中症予防に、巨大冷房でも注文する?」
「………資金は何処から出るんです?それに、暑くなければお祭りじゃないじゃないですか。さあさあ、仕
事が少ないとは言えお客様はいるんですから、しっかり働きましょうね」
「はーい」

 最近出番がないような気がする薔薇部では。
「この機会を利用して薔薇部の存在を強くアピールしようと思うんだけど」
 Foolが、ある一方から見れば(しかもそれが大多数を占めるような気がする)とんでもなく迷惑な話
を議題にしていた。
「んん。確かにそれは良いかも知れませんね。これの筆者なんか、設定を読むまで僕が薔薇部にいること知
らなかったんですから」
 腕組みをしていた葛田も、それに賛同する。
「そうっす!俺達の熱き血潮を再認識させてやるんすっ!!」
 熱血と気合を同時に使用したような迫力の矢島。どうでも良いんだけどLと本編と性格が違いすぎ。誰
だろう?あんなに格好いいはずの矢島君をココまで破壊したのは?
「何で俺はココにいるんだ…?こ、ココにいてイイの…?」
 言うな橋本っち。
「よし、では具体的に如何にするか──────────────────────」
 Foolが身を乗り出し、会議を始めようとしたとき。いきなり部室のドアを保科智子が勢い良く開けは
なった。勢い余って部室のあちこちのものが崩れたりしてる。
「────────あ、あら?保科さん?…………あああっっ!!!そうかっ!洒落の練習するんだったぁ
ぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」」
「そうやっ!!はやくせんと……」
 ああ、似非神戸弁。許して下さい保科さん。
「はいっ。わかってますっ。これ以上出ていると更に似非神戸弁が出て来るという大問題が発生するんです
ね??あ、あははは。じゃ、そう言うことだから先抜け〜〜〜〜」
・・・
「い、いっちまったっす」
「騒がしいヤツだなあ…部長の癖に」
「……あっ、僕も予定あるんだった」
 唖然としている橋本矢島を後目に、ぽんと手を打って葛田は立ち上がった。
「これから、志保さんと一緒に司会の打ち合わせを……」
「「お前もかよっっ」」
 切実な叫びと血涙を流す2人。でも当然のように葛田には届かないのがこの筆者の癖だ。
「──でも、何で志保さんと何だろう?導師ならまだわかるけど」
 秋葉原でのあの一言が原因だということは、秘密。
 ともかく、葛田もすたすたと部室を出ていった。
・・・
「ああ、なんか残されちったよ」
 『我は流す薔薇色の涙』って感じ(って事は白かったり黒かったりもするのか?)。
「あの──橋本先輩…」
 溜息つきつつ、矢島が言った。
「…こんな風に薔薇部でごろごろするのと、M・Kさんの奴隷やってるのと、どっちがマシだと思います?」
 すると橋本もまた(かなり嘆息に似た)溜息をついて、
「ああ……そうだな……奴隷の方がマシかもしれん……」
「そうっすよねぇ…」
 そして、2人同時に嘆息。
 薔薇部と言うより、2人に明日はあるのか。──いや、矢張り無い。

 再び暗躍生徒会。
 Runeと健やかは、やぐら、屋台作りを残りの五十三名に任せ、今では花火の準備に追われていた。
「と、言うわけでどんな花火を作るんだい?この素人の僕たちが」
「いやいや、安心し給え。今回は助っ人が多く存在したりするんだよ。いや、まだそのうちの2人は登場し
ていないけれどね。…それに、彼等の協力は我が暗躍生徒会の仕事に必要不可欠のものなのだよこれがまた。
いやそれにしてもこの筆者疲れたからって科白ばっかりにしやがって残りは明日でも良いだろうがと楽屋落
ち失礼っ!!!!まあそれはともかく、彼等の手に掛かれば大騒ぎになること請け合いだろう」
「でも、普通の花火も作るんでしょ?」
「サヴリミナルを狙うには勿論それも必要だな」
「(さ、サヴリミナル?)……ともかく、マスターアップ…もとい、時間まであと2時間だよ」
「あっはっはっはっ!!締め切りとファンレターのお返しに追いかけられる小説家の気分だぜ!!」
「そのテンションをどうにかしてよ…」

 そんなこんなで……。
 ともかくあと2時間でお祭り開始時刻である。
 暗躍生徒会の陰謀とは?
 というか間に合うのかメタオ達?
 今回でなかった人たちは出せるのか?
 そう言えばルカは生きてるのか?
 ストーリーはまた自己中心的になるのか?
 はたまた──またしてもこんな調子か?
 それは筆者にもわからない。
 しかしそれでも時間は迫る。
 そう、
 ともかく今夜はお祭りだ。
                     … つづくっっ!! …
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
 ええ、前編をお送りしました。
「畜生、Runeさんの新作かと思ったらゆきのかよ」
 そう思った方御免なさい。
 取り敢えず、ちょっとでも暗躍生徒会の皆様を出すときはこんな感じにしようとか勝手に考えてます。
 というわけでRuneさん御免なさい。
 それと、今回出された方+出なかった方御免なさい。

 後編は…多分自分中心になっちゃうと思います…。
 全員書こうとするとこんな風になるから……。